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home>環境について>環境関連情報>地球温暖化>2030年温室効果ガス排出量46%削減への道 #3

2030年温室効果ガス排出量46%削減への道 #3

2021-12-20

~第26回気象変動枠組み条約締結国会議(COP26)の概要~

1. はじめに

2020年にイギリスのグラスゴーで開催される予定だった国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により1年延期され、2021年10月31日~11月12日に開催されました。しかし、議長案がなかなかまとまらず1日会期を延長し、何とか閉幕しましたが、「多くの課題を残した会議」と評価されています。

主催者の国連環境計画(UNEP)の総括、我が国の外務省、環境省の報告資料、マスコミの報道などを参考にして、今回のCOP26を総括して解説したいと思います。

2. COP26開催にあたって

今回の会議には多くの国の首脳が参加しましたが、CO2排出量1位である中国の習近平国家主席、第4位のロシアのプーチン大統領が欠席し、世界が2050年のカーボンニュートラルを宣言する中で、中国が2060年、排出量3位のインドが2070年を目指すと宣言するなど、今のままでは今世紀末の世界の平均気温が2.7℃上昇すると予測されるなど、暗雲が漂う中での開催となりました。


図1 COP26開催前の状況(筆者作成)

このような状況に対し、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は11月1日の挨拶において、以下のような危機感をにじませました(以下、国際連合広報センター「アントニオ・グテーレス事務総長の挨拶文」より抜粋)。

  • パリ協定以降の6年間は、観測史上最も暑い6年でした。
  • 私たちの化石燃料への中毒症状は、人類を破滅の瀬戸際まで追い込んでいます。
  • 自分たちのために資源を燃やし、掘削し、さらに深く採掘するのは、自らの墓穴を掘っているのです。
  • 海面上昇は、30年前と比べて2倍の速さで進んでいます。
  • 海水温はかつてないほど高く、その上昇率はさらに早まっています。
  • アマゾンの熱帯雨林の一部は、今では吸収する以上の炭素を排出しています。
  • 国が決定する貢献(NDC)」に関する報告書では、世界の平均気温上昇が2.7℃になるという悲惨な見通しが示されました。
  • (現状の)最善のシナリオであったとしても、気温上昇は優に2℃を超えるでしょう。
  • 私たちは、地球温暖化のフィードバックループが増大する臨界点へと急速に近づいています。
  • 第一に、私たちは1.5°C目標を維持しなければなりません。
  • そのためには、より野心的な緩和策を打ち出し、具体的な行動を直ちに起こして2030年までに世界の排出量を45%削減する必要があります。
  • 排出量の約80%を占めるG20諸国は特別な責務を担っています。
  • 幻想を抱くのは止めましょう。COP26が閉会するまでに各国のコミットメントが不十分であれば、各国は自国の気候計画と政策を見直さなければなりません。
  • 5年ごとではありません。毎年です。「あらゆる瞬間に」です。
  • 第二に、気候変動がもたらす、今ここにある明確な危機から脆弱なコミュニティーを守るために、私たちはさらに取り組まなければなりません
  • この10年間で、約40億の人々が気候関連の災害に見舞われました。
  • こうした惨害は拡大する一方です。
  • しかし、それに適応することはできます。
  • 第三に、このCOP26を連帯の瞬間にしなければなりません。
  • 開発途上国を支援するために年間1,000億米ドルの気候変動対策資金を投じるというコミットメントは、1,000億ドルの気候変動対策資金として実現しなければなりません。

 

3. COP26の成果と課題

(以下、国連環境計画資料、環境省資料などを主な資料として、各種資料も参考に作成)
COP26には197の国と地域の代表団が参加し、2021年10月31日から11月13日まで開催されました。

3-1. 成果・合意事項

  • 今後の10年間、気候に関する行動を加速するという世界的な取り組みを確固たるものにする。しかし、各国の修正されたCO2削減目標を積算しても、今世紀末に世界平均気温は2.4℃上昇すると試算され、各国持ち帰り、目標とする1.5℃以下にするための新たな施策・目標を更に野心的なものとする。地球の生態系への甚大な被害を防ぐには、1.5℃目標の実現が必要とされている。
  • 石炭火力発電に対して議長案の「段階的に廃止」に対して中国、インドが反対したため、「段階的に削減」にトーンダウンした目標に後退したが合意できた。
  • 気候温暖化の少なくとも4分の1の原因となる強力な温室効果ガスであるメタン排出量の削減について、2030年までにメタン排出量を30%削減する(100ヶ国がコミット)。
  • 世界の森林の85%を保有する100以上の国々が2030年までに森林破壊を止めることで合意。

3-2. 課題

  • 2015年に採択されたパリ協定では、産業革命前と比べた世界の平均気温上昇抑制の努力目標「1.5℃以内」、必達目標「2.0℃以内」だった。国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)WG1の最新報告書により、COP26では「1.5℃以内」を必達目標としたことは成果と言えるが、各国への数値目標が振り分けられていないため、現状では「絵にかいた餅」と言える。早急に各国の削減目標の底上げが必要。
  • 現状の各国の目標を積み上げても2.4℃以内であり、いまだ大きなギャップがある。
  • 石炭火力発電についても、「段階的な廃止」から「段階的な削減」と曖昧な目標設定になった。
  • 一番の心配は、目標数値を掲げて「やっているフリ」をするグリーンウオッシュになること。


図2 COP26の成果と課題(筆者作成)

4. まとめ

(1)国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)が2021年10月31日~11月13日まで14日間に渡り、英国グラスゴーにて世界197の国と地域の代表団が参加して開催された。
(2)開催前までの各国の温室効果ガス削減目標を積算した結果では、パリ協定の目標2.0℃、努力目標1.5℃には届かず2.7℃と試算されていた。また、排出量1位中国の習近平国家主席と、4位ロシアのプーチン大統領が欠席、さらに世界が2050年のカーボンニュートラルを目指すのに対し、1位の中国が2060年、3位のインドが2070年とするなど暗雲漂う中で開催された。
(3)国連のアントニオ・グテーレス事務総長は開催の挨拶において強い危機感を示した。
(4)閉幕後、主催者のUNEP(国連環境計画)は、ウェブサイトで“COP26 ends with agreement but falls short on climate action”「 COP26は合意で終了するが、気候変動対策には不十分」と述べている。
(5)合意事項としては、パリ協定の「産業革命時より2.0℃以内、できれば1.5℃以内の気温上昇に抑える」としていた努力目標の1.5℃を必達目標にした。これは異常気象の発生が想定より大きく、目標を引き上げる必要がある。
(6)2030年までにメタンの排出量30%削減及び森林破壊の停止などが合意された。
(7)COP26において、日本やアメリカ、EUなどの国や地域が削減目標を上方修正したが、2.4℃と目標に及ばず、さらなる上積みが求められた。
(8)各国や地域が目標数字を掲げる反面、罰則がないため「やっているフリ(グリーンウオッシュ)」、「検証の方法」など多くの課題が残った。
(9)2022年度COP27開催国はエジプト、2023年度COP28開催国はUAEに決定。

引用・参考資料

  • GLASGOW CLIMATE CHANGE CONFERENCE – OCTOBER-NOVEMBER 2021 (国連)
  • UNEP at the climate COP26 (UNEP国連環境計画)
  • COP26 ends with agreement but falls short on climate action (UNEP国連環境計画)
  • COP26世界リーダーズ・サミットにおけるアントニオ・グテーレス国連事務総長挨拶 (国際連合広報センター、2021年11月9日)
  • Remarks to the World Leaders Summit – COP26 (国連事務総長、2021年11月1日)
  • 国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)、京都議定書第16回締約国会合(CMP16)パリ協定第3回締約国会合(CMA3)について【10/31~11/12 イギリス・グラスゴー】 (環境省)
  • 国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)、京都議定書第16回締約国会合(CMP16)、パリ協定第3回締約国会合(CMA3)等 (外務省)
  • UNEP COP26目標達成も効果わずか (日テレNEWS24、2021年11月11日)
  • UNEP 世界の平均気温 削減目標達成で60%超の確率で2.1度上昇 (NHK NEWSWEB、2021年11月10日)
  • 多くの課題を残したまま閉幕したCOP26 (NRI、ナレッジインサイト、2021年11月15日)
  • COP26の失敗は「死刑宣告だ」とグテレス事務総長 首脳級会合で (Web版毎日新聞、2021年11月2日)
  • COP26 異例の首脳級会合 温暖化対策強化訴え 中国出席せず (Web版毎日新聞、2021年11月2日)
  • 米欧と中露、対立の末「今世紀半ば」 温室ガスゼロ、具体策示せず (Web版毎日新聞、2021年11月1日)
  • パリ協定実現のため各国2030年目標を引上げ~気候サミット2021開催と気候変動の現状~ (日本バルブ工業会、2021年6月21日)

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