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home>環境について>環境関連情報>地球温暖化>2030年温室効果ガス排出量26%削減への道 #10

2030年温室効果ガス排出量26%削減への道 #10

2018-02-19

~地球は温暖化しているのに、なぜ大寒波?~

はじめに

2018年、我国は年初から37年振りとも言われる強い寒波の度重なる来襲によって、日本海側だけでなく関東の平野部でも大雪が降り、また記録的な低温に見舞われています。この傾向は日本だけではなく、欧米でも同じく大寒波に襲われているようで、2018年1月8日付け朝日新聞デジタルは「米南部フロリダでは約30年ぶりに降雪が観測された」、「東部や中西部を中心に吹雪や強風が襲い、気温が零下20度を下回った」と報じています。さらに、CNNニュースは2018年1月にサハラ砂漠で降雪があったとも報じています。また、2017年12月11日付け時事通信は、欧州各国が寒波に襲われ航空機の大規模な欠航を報じています。

ここ数年、北半球各国を襲った大寒波は、2012年2月の欧州、2014年1月の米国などで数十年に一度といわれる大雪や強風、低温によって多くの被害をもたらしました。

反面、現在が夏の南半球ではオーストラリアの各都市では気温が軒並み47℃を越え、オオコウモリが大量に死んだことなどを多くの報道機関が伝えています。

温室効果ガス排出量の増加によって、確実に地球の平均気温は上昇傾向を継続しており、南半球の熱波は将来の地球を象徴するような現象で理解できるとしても、北半球で発生している、ここ数年の記録的な寒波はどのように説明されるのでしょうか。専門家による諸説よりこの現象を解明してみたいと思います。

現在の地球温暖化の状況

<世界の主な温室効果ガス濃度変化>

世界の温室効果ガスの大半を占める二酸化炭素濃度は、過去1,000年以上に渡り280ppmで推移してきましたが、18世紀の中頃より上昇を始め、ここ数十年において急激な増加を見せています。これは、産業革命によりエネルギーとして石炭や石油が大量に消費されたことや、二酸化炭素を吸収する森林の伐採や砂漠化など人間の活動による結果と見られています。

図1 西暦0年から2011年までの主な温室効果ガスの大気中の濃度の変化(出典:IPCC第5次報告書/気象庁)

<世界の年平均気温の偏差の経年変化(1891〜2017年)>

図2には18世紀以前のデータが示されていませんが、1890年以降では世界の年平均気温は確実に上昇傾向にあると言えます。

 

図2 世界の年平均気温の変化(出典:気象庁)

<海面水温の長期変化傾向(全球平均)>

世界の海表面の水温も気温と同様な上昇傾向にあります。

図3 海面水温の長期変化傾向(全球平均)(出典:気象庁2017年2月15日)

北極圏の海氷の面積が年々縮小傾向にあり、「北極に住むシロクマが十分な餌を取る事が出来なくなっている」あるいは「シロクマが溺れかかっている」などの報道が度々あり、本コラムにおいても以前、人工衛星から撮影した北極の海氷の様子を紹介しましたが、気象庁より発表された「北極域の海氷域面積の年最大値・年最小値の経年変化」のデータがありますので、図4に示します。

図4 北極域の海氷域面積の年最大値・年最小値の経年変化(1979年~2017年)(出典:気象庁2017年10月22日)

以上のデータより、18世紀後半以降、地球の平均気温、海面の水温が上昇し、北極圏の海氷面積が縮小傾向にあることが事実としてわかります。

しかし、地球の温暖化は温室効果ガスの影響という単純な原因だけではなく、太陽の活動状況等にも左右され、地球の歴史の中で氷河期と間氷期を繰り返し、現在よりも気温が高かった時期もあるといわれていますので、温室効果ガスの増加=地球温暖化という単純な図式は成り立たないとは思いますが、地球が確実に温暖化に向かっていることは事実と言わざるを得ません。

なぜ温暖化しているのに次々に記録的な寒波が地球各地を襲うのか?

素人的な考えでは、「地球温暖化が進めば地球のどの地域もスライド式に暖かくなる」と思われますが、気温や気象はそう単純ではないようです。例えば、カラフトの北端とほぼ同じ緯度にある英国がさほど寒くない国であったり、アメリカのサンフランシスコが東京とほぼ同じ緯度にあるにも関わらず、一年中温暖な気候であったり、あるいは日本において日本海側と太平洋側の気候が全く違う様子からもわかるとおり、気温や気象は、地形、海流、偏西風や貿易風などの気流などの影響も大きく受けるといわれています。

大きな流れとしては、赤道付近で温められた空気が上昇し、北回帰線より北または南回帰線より南に吹き降り、また地球の自転による偏西風や貿易風などの気流や様々な海流、地軸の傾きなどによって地域の気温や降雨量が決まるといわれています。

さて、では本題の地球が温暖化するとなぜ逆に寒冷化する地域が出てくるのでしょうか。

国立研究開発法人海洋研究開発機構やIPCC(国連の気象変動に関する政府間パネル)の報告を見てみると、「地球温暖化とは『地球全体の平均気温が均等に数度上がる』ことではなく、『平均気温の上昇で従来の気候システムが変化し、予期せぬ異常気象が増える可能性が大きくなる』」現象である」と述べています。

そして、ここ数年、欧米や日本、シベリアなどを襲っている大寒波はどのようなメカニズムで起きているのでしょう。

前述したとおり、気象現象は様々な因子が複雑に絡み合って起こる現象ですので簡単には説明が出来ないと思われますが、現在いくつかの説明がなされていますので紹介します。

<北極の海氷面積の減少による偏西風の蛇行説>

(1)図4に示すように北極海の海氷面積が温暖化により減少傾向を続けています。

(2)白く太陽光を反射する海氷より海面の方が熱を吸収しやすい。加えて海氷は海水から大気への熱の移動を遮蔽する効果があるとされ、海氷面積が減ると海水から大気への熱放出が増えて北極の気温がさらに上昇傾向となる。北極で暖かい空気が上昇し上空で気圧が高くなる。

(3)その結果、偏西風によるジェット気流がスカンジナビア半島北東、北極海の一部「バレンツ海」付近で北側に押し上げられ、これによって偏西風が従来に比べて南に蛇行するようになる。

(4)この偏西風の蛇行した地域に北極からの寒気が流れ込み記録的な寒波をもたらす。

これが、現状における温暖化に伴う北半球の寒冷化を説明する一般的な理論とされています。さらに、このまま温暖化が進むと、海流が変化して長い年月の先には、さらに地球が寒冷化するのではと欧米では考える説があります。

<海洋における熱循環変化説>

気象庁の説明によると、「熱循環または深層循環」とは「海洋の深層循環は、海水の水温と塩分による密度差によって駆動されており、熱塩循環と呼ばれています。熱塩循環は、現在の気候において、表層の海水が北大西洋のグリーンランド沖と南極大陸の大陸棚周辺で冷却され、重くなって底層まで沈みこんだ後、世界の海洋の底層に広がり、底層を移動する間にゆっくりと上昇して表層に戻るという約1000年スケールの循環をしています」とのことです。また、地球温暖化が進み気候変動が起こる結果、「底層まで沈みこむような重い海水が形成される海域の海水の昇温や、降水の増加や氷床の融解などによる低塩分化によって、表層の海水の密度が軽くなり、沈みこむ量が減少し、深層循環が一時的であれ弱まるのではないかと考えられています。 北大西洋での深層水形成が弱まった場合、南からの暖かい表層水の供給が減り、北大西洋およびその周辺の気温の上昇が比較的小さくなることが指摘されています」と述べてられています。

IPCCの報告書においても、この深層循環の速度が遅くなったり、場合によっては停止したりする可能性を指摘しています。

この場合、赤道付近は益々熱く、高緯度地域はより寒冷化することになりかねません。

前述したとおり、気候や気象は種々の非常に多くの因子が複雑に絡んだ結果であり、エルニーニョ現象やラニーニャ現象がなぜ起こるのか、その結果の異常気象との関連は「はっきり」とは解明されていないのが現状ですが、温室効果ガスの増加が多くの異常気象の発生原因の1つである可能性が高いことと地球の気温が確実に上昇していることだけは間違いないことのようです。

まとめ

気候や気象の変化は、その地域の地形、海流(暖流と寒流)、気流(偏西風と貿易風、季節風)、太陽の活動状況など非常に多くの因子が複雑に絡んで生じる現象であるため、簡単には解明できないと言われていますが、地球の大気中の温室効果ガス濃度の上昇と地球の気温と海表面の温度が上昇傾向にあり、北極の海氷面積が減少傾向にあることは事実です。

しかし、「地球温暖化とは『地球全体の平均気温が均等に数度上がる』ことではなく、『平均気温の上昇で従来の気候システムが変化し、予期せぬ異常気象が増える可能性が大きくなる現象』である」と言われています。

ここ数年の北半球における記録的な寒波の襲来は、北極の海氷が溶けて面積が減少することに起因して、北極上空に貯まった暖かい空気が偏西風を蛇行させて、北極や高緯度地域の寒気が流入した結果とされていますが、上述した通り気象の変化は北極の海氷の面積減少だけで説明出来るものではないと思われ、将来一気に暖冬化する可能性がないとも言えないと思われます。

 

引用・参考資料

  • 「地球温暖化のせいで寒冷化…」 なぜそんなことが起こるのか (web版日本経済新聞、2012年2月6日)
  • バレンツ海の海氷減少がもたらす北極温暖化と大陸寒冷化 ―日本の冬の寒さを説明する新たな知見― (独立行政法人海洋研究開発機構、2012年2月1日)
  • 地球温暖化と北極海の海氷減少 (独立行政法人海洋研究開発機構、2013年1月23日)
  • 地球温暖化と北極海の海氷減少(スライド版) (独立行政法人海洋研究開発機構、2013年1月23日)
  • 2014年1月上旬に北米を襲った大寒波について (独立行政法人海洋研究開発機構、2013年6月29日)
  • 温暖化で大寒波が頻発するのは何故なのかー北米、アジアでも猛威、ゴジラならぬ「スノージラ」 (Yahooニュース、2016年1月25日)
  • サハラ砂漠に異例の積雪、過去40年で3度目 (CNN、2018年1月10日)
  • 地球温暖化で日本の冬は寒くなる? (MKカンパニー)
  • 「寒波が猛威を振る」12月、地球温暖化の逆説 (東亜日報、2017年12月25日)
  • 「アメリカの大寒波」と「地球温暖化」の関係 (ハフィントンポスト、2014年01月09日)
  • 北米襲来の大寒波、原因は地球温暖化!? (The Page、2014年1月25日)
  • 大寒波の原因が温暖化ってホント? (The Page、2014年2月8日)
  • マイナス40℃の町で人々はどう暮らしているのか? (National Geographic、2018年1月25日)
  • 欧州・北米を大寒波襲う 爆弾低気圧で吹雪や強風 (朝日新聞デジタル、2018年1月8日)
  • 欧州の大寒波、死者600人超す ロシアでは215人に (AFP通信、2012年2月15日)
  • 欧州各地、大雪で影響=独300便超欠航、仏では座礁も (時事通信、2017年12月11日)
  • オーストラリアは熱波 アメリカは滝も凍る大寒波 (テレビ朝日ニュース、2018年1月8日)
  • シドニー、気温47.3度を記録 屋外の火気使用禁止令 (朝日新聞デジタル、2018年1月8日)
  • 熱波でオオコウモリ数千匹が大量死 気温46度のオーストラリア (CNN、2018年1月11日)
  • 海面水温の長期変化傾向(全球平均) (気象庁、2017年2月15日)
  • 世界の年平均気温 (気象庁)
  • 温室効果ガスの濃度の変化温 (気象庁)
  • 海氷域面積の長期変化傾向(北極域) (気象庁、2017年10月22日)
  • 深層循環の変動について (気象庁)

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