MENU
CLOSE
HOMEHOME
工業会情報
  • 工業会情報トップ
  • 当会の組織概要
  • 会長挨拶
  • 定款
  • 競争法コンプライアンス規程
  • 企業行動憲章
  • 役員名簿
  • 2016年度事業報告書等
  • 2017年度事業報告書等
会員企業紹介
  • 会員企業紹介トップ
  • 正会員企業紹介
  • 賛助会員企業紹介
  • 会員企業商標一覧
  • 会員の技術・製品情報
  • ISO認証取得会員
バルブメーカー検索 統計 会員向け

サイトマップ|English

一般社団法人 日本バルブ工業会 JAPAN VALVE MANUFACTURERS'ASSOCIATION

サイトマップ|English

  • HOME
  • 工業会情報
  • 会員企業紹介
  • バルブメーカー検索
  • 統計
  • 会員向け
home>環境について>環境関連情報>環境経営・戦略・政策>2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略

2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略

2021-04-19

~「経済と環境の好循環」につなげるための産業政策~

はじめに

菅内閣は発足間もない2020年10月にパリ協定の最終目標である「2050年に温室効果ガス排出量をゼロ」とする目標「2050カーボンニートラル」を宣言しました。

この宣言に伴い、これを達成するための道筋を示す「2050年カーボンニュートラルに伴う成長戦略」が2020年12月に経済産業省より発表されました。

今回は、どのようなシナリオで経済と環境のバランスを保ちつつ2050年に向けた産業政策を進めるのかについて、概要を解説したいと思います。

 

「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」とは

※以下、2020年12月に経済産業省が発表した資料などを引用して、2050年に向けた我が国の産業政策について解説し、筆者が重要と感じる部分は赤字で示します。

<今までの考え方を変える>

  • 「温暖化対策は経済活動の負荷」と見る時代は終わり ⇒ 逆転の発想で次世代の成長の機会と捉える。
  • これまでのビジネスモデルや戦略を根本的に変えて行く必要 ⇒ これを政府が支援。

図1 2050カーボンニュートラルでのエネルギー起源温室効果ガス排出量削減イメージ(出典:経済産業省)
※パリ協定における日本のエネルギー起源温室効果ガス排出量の基準年は2013年で12.35億トン

電力部門

2018年=4.5億トン ⇒ 2030年=3.6億トン(2018年度比▲20%)

全般
  • すべての電力需要を100%再エネで賄うことは困難(非現実的)
  • 2050年には発電量の約50%~60%を再エネで賄うことを目標

※再エネ率は英国65%、米国55%目標

再エネ 最大限導入系統整備、蓄電池活用、コスト低減
⇒ 洋上風力・蓄電池産業を成長分野
水素発電 供給量・需要量の拡大、インフラ整備、コスト低減
⇒ 水素産業を創出
火力+CO2回収 技術確立、コスト低減
⇒ 火力は必要最小限、使わざるを得ない
⇒ カーボンリサイクル・燃料アンモニア産業の創出
原子力 安全性向上、次世代炉
⇒ 可能な限り依存度は低減、引き続き最大限利用
⇒ 安全性に優れた次世代炉の開発

図2 温室効果ガスの部門別排出割合(出典:経済産業省)

非電力部門 2018年=6.1億トン ⇒ 2030年=5.7億トン(2018年度比▲9.2%) 
全般
  • 電力部門以外は「電化」が中心
  • 熱需要には「水素化」「CO2回収」で対応
  • 電力需要は増加
  • 再エネの蓄電池利用
  • スマートグリッド(系統運用)、太陽光・風力の需給調整、インフラの保守・点検等
  • 全ての分野において、技術開発から、社会実装+量産投資によるコスト低減へ
  • 電力需要は、産業・運輸・家庭部門の電化によって現状より30~50%増加(約1.3~1.5兆kWh)。
輸送部門 自動運行(車、ドローン、航空機、鉄道)
⇒ 電動化、バイオ燃料、水素燃料
生産部門
  • 製造自動化(FA、ロボット等)

 ⇒ 水素還元製鉄など製造プロセス変革

  • 水素産業、自動車・蓄電池産業、運輸関連産業、住宅産業を成長産業
  • 強靭なデジタルインフラの構築

 ⇒ 半導体・情報通信産業を成長分野

  • エネルギーの電化、水素化、蓄電池
家庭部門 電化、水素化、蓄電池
⇒ スマートハウス(再エネ+蓄電)、サービスロボット等

図3 2050カーボンニュートラルを実現するために成長が期待される産業(14分野)(出典:経済産業省)

成長が期待され政府が重点支援を目指す14分野の産業

洋上風力産業 魅力的な国内市場を創出することにより国内外の投資を呼び込み、競争力があり強靱なサプライチェーンを構築。更に、アジア展開も見据えた次世代技術開発、国際連携に取り組み、国際競争に勝ち抜く次世代産業を創造していく。
燃料アンモニ産業 燃焼してもCO2を排出しないアンモニアは、石炭火力での混焼などで有効な燃料。混焼技術を早期に確立し、東南アジア等への展開を図るとともに、国際的なサプライチェーンをいち早く構築し、世界におけるアンモニアの供給・利用産業のイニシアティブを取る
水素産業
  • 水素は、発電・産業・運輸など幅広く活用されるカーボンニュートラルのキーテクノロジー。日本が先行し、欧州・韓国も戦略等を策定し、追随。今後は新たな資源と位置付けて、自動車用途だけでなく、幅広いプレーヤーを巻き込む。
  • 目標:導入量拡大を通じて、水素発電コストをガス火力以下に低減(水素コスト:20円/Nm3程度以下)。2050年に化石燃料に対して十分な競争力を有する水準を目指す。導入量は2030年に最大300万トン、2050年に2,000万トン程度を目指す。

※うち、クリーン水素(化石燃料+CCUS、再エネなどから製造された水素)の供給量は2030年の独の再エネ由来水素供給量(約42万トン/年)を超える水準を目指す。
※CCUS:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storageの略で、分離・貯留したCO2を利用する技術。

原子力産業 原子力は、実用段階にある脱炭素の選択肢。国内での着実な再稼働の進展とともに、海外(米・英・加等)で進む次世代革新炉開発に、高い製造能力を持つ日本企業も連携して参画し、多様な原子力技術のイノベーションを加速化していく。
自動車・蓄電池産業 2050年の自動車のライフサイクル全体でのカーボンニュートラル化を目指すとともに、蓄電池産業の競争力強化を図る。
半導体・情報通信産業 ①デジタル化によるエネルギー需要の効率化(「グリーンby デジタル」)と②デジタル機器・情報通信の省エネ・グリーン化(「グリーン of デジタル」)の2つのアプローチを車の両輪として推進。
船舶産業 ゼロエミッションの達成に必須となるLNG、水素、アンモニア等のガス燃料船開発に係る技術力を獲得するとともに、国際基準の整備を主導し、我が国造船・海運業の国際競争力の強化及び海上輸送のカーボンニュートラルに向けて取り組む。
物流・人流・土木インフラ産業 カーボンニュートラルポートの形成、スマート交通の導入、自転車移動の導入促進、グリーン物流の推進、交通ネットワーク・拠点・輸送の効率化・低炭素化の推進、インフラ・都市空間等でのゼロエミッション化、建設施工におけるカーボンニュートラルの実現に総合的に取り組むことで、物流・人流・土木インフラ産業での2050年のカーボンニュートラル実現を目指す。
食料・農林水産業
  • スマート農林水産業等の実装の加速化によるゼロエミッション化、農畜産業由来のGHG (Greenhouse Gas) の削減、農地・森林・海洋における炭素の長期・大量貯蔵等、吸収源の取組を強力に推進し、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現する。
  • 世界のGHG排出量のうち農林業等由来の排出が1/4を占めている現状を踏まえ、我が国の優れた技術の国際展開、国際的な議論・ルールメイキングへの積極的な関与により、世界のカーボンニュートラルに貢献する。
航空機産業 国際航空において急速に低炭素要求が強まりつつある中、ICAO(国際民間航空機関)は2019年比でCO2排出量を増加させないことを制度化。グリーンによる技術の変わり目を、我が国航空機産業の競争力を飛躍的に強化するチャンスと捉え、複合材、電動化、水素や代替燃料などの複数の要素における技術的優位性の確立を目指す。
カーボンリサイクル産業 カーボンリサイクルは、CO2を資源として有効活用する技術でカーボンニュートラル社会実現に重要。日本に競争力があり、コスト低減、社会実装を進め、グローバル展開を目指す。EA (International Energy Agency ) は、2070年のCCUS (Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage) によるCO2削減量は世界で約69億トン/年と予測。)
住宅・建築物産業/次世代型太陽光産業 住宅・建築物は、民生部門のエネルギー消費量削減に大きく影響する分野。カーボンニュートラルと経済成長を両立させる高度な技術を国内に普及させる市場環境を創造しつつ、くらし・生活の改善や都市のカーボンニュートラル化を進め、海外への技術展開も見込む。
資源循環関連産業
  • リデュース、リユース、リサイクル、リニューアブルについては、法律や計画整備により技術開発・社会実装を後押ししている。廃棄物発電・熱利用、バイオガス利用については、既に商用フェーズに入っており普及や高度化が進んでいる。今後、これらの取組について、「国・地方脱炭素実現会議」等における議論を踏まえつつ、技術の高度化、設備の整備、低コスト化等により更なる推進を図る。
  • 循環経済への移行も進めつつ、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする。
ライフスタイル関連産業
  • 「国・地方脱炭素実現会議」等における議論を踏まえつつ、住まい・移動のトータルマネジメント(ZEH・ZEB、需要側の機器(家電、給湯等)、地域の再生可能エネルギー、動く蓄電池となるEV/FCV等の組み合わせを実用化)、ナッジ (そっと後押しをする) やシェアリングを通じた行動変容、デジタル技術を用いたCO2削減のクレジット化等を促す技術開発・実証、導入支援、制度構築等に取り組む。
  • これらにより2050年までにカーボンニュートラルで、かつレジリエントで快適なくらし(「脱炭素プロシューマー」への転換によりエネルギーで稼ぐ時代へ)を実現する。

※脱炭素プロシューマー:再生可能エネルギーで作り出すエネルギーが消費よりも多い家庭

まとめ

(1)菅内閣は発足間もない2020年10月に、パリ協定の最終目標である「2050年に温室効果ガス排出量をゼロ」とする目標「2050カーボンユートラル」を宣言した(基準年は2013年度)。
(2)温室効果ガス排出量を、電力(発電)部門、輸送部門、産業部門、家庭部門に区分し、2030年までの削減目標を設定し、行動計画として2020年12月25日に経済産業省が「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を発表した。
(3)キー技術として、水素、アンモニアのエネルギー利用、再エネ利用における蓄電池利用など。
(4)電力(発電)部門、輸送部門、産業部門、家庭部門の削減施策及びこれを達成するために、14の成長を期待する産業について、概要、現状と課題、今後の取組み、成長戦略「工程表」を発表すると同時に、金融・財政的な支援策なども示した。
(5)環境問題、今回は特に温室効果ガス削減問題に対する取組みは企業などにとって経済的な負担を意味するものではなく、次世代産業を育てるための機会であるとの発想の転換をうながしている。
(6)企業はこれまでのビジネスモデルや戦略を根本的に変えていく必要が有り、政府として政策面や財政面での支援を行う。

引用・参考資料

  • 2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略を策定しました (経済産業省、2020年12月25日)
  • 2050年人類滅亡!? 豪シンクタンクの衝撃的な未来予測 (Newsweek、2019年6月7日)
  • 菅首相、2050年カーボンニュートラル宣言の舞台裏 (日経エネルギーNEXT web版、2020年10月26日)
  • 菅首相が「国際公約」 温室ガスを2050年に実質ゼロ (朝日新聞デジタル、2020年11月23日)
  • 脱炭素社会、実現できる? (NHK webサクサク経済Q&A)
  • 2030年温室効果ガス排出量26%削減への道 #20~大気中の温室効果ガス濃度が過去最高に~ (日本バルブ工業会、2019年12月18日)
  • 日本の約束草案(2020年以降の新たな温室効果ガス排出削減目標) (環境省)
  • データで見る温室効果ガス排出量(日本) (JCCA全国地球温暖化防止活動推進センター)

注意

  • 無断で本情報を二次使用すること及び転載することを禁じます。
  • 本情報は不確実な情報が含まれる可能性がありますので、本情報を利用される場合は参考文献及び引用先の情報も合わせてご覧のうえ、自己の責任において判断をお願いします。
  • 英文による引用・参考資料部分においては、英語の専門家でない筆者が仮和訳していますので、本情報を重要な場面で利用される場合は、引用先の原文を参考に自己責任にて判断願います。
  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

環境経営・戦略・政策(環境関連情報)

  • 2022
  • 2021
  • 2020
  • 2019
  • 2018
  • 2017
  • 2015
  • 2014
  • 2013
  • 2012
  • 2011
  • 2010
  • 2009
  • 2007
  • 2005
  • 2003
ページトップ

個人情報保護方針|特定個人情報の適正な取扱いに関する基本方針

一般社団法人日本バルブ工業会

〒105-0011 東京都港区芝公園3-5-8 機械振興会館510 アクセス地図  TEL: 03-3434-1811

Copyright © Japan Valve Manufacturers' Association. All rights reserved