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環境関連情報

2012環境産業の市場規模

環境省 環境産業市場規模推計及び環境成長エンジン報告書を公表

情報発信日:2012-07-19

はじめに

環境省は2012年5月15日付けで環境産業市場規模推計・環境成長エンジン報告書等(2010年分)を公表しました。

環境省によりますと「環境省では、環境産業市場規模等について推計を行っているところですが、2010年版の推計についてとりまとめましたので公表いたします。環境産業の市場規模は世界的な金融・経済の混乱を受けて2009年に約67兆円と、2008年(約75兆円)より減少しましたが、2010年は再び増加に転じ、約69兆円となりました。雇用については、約185万人となり2009年(約180万人)から増加しています。

また、今回初めて取りまとめた「環境成長エンジン報告書」においては、2000年以降の市場動向、環境ビジネスに取り組む20社の事例調査を実施し、これを踏まえて環境産業の成長要因や求められる政策について、環境産業市場の需要と供給の両面から整理しました」としており、世界の環境ビジネス規模はここ数年70兆円規模で推移し、雇用は約200万人に上るとしています。

また、環境産業は2009年度では2008年度に比べて世界的な不況の影響などで市場規模が縮小していますが、2010年度は再び増加に転じ、市場規模は長期的には拡大傾向にあると結論しています。

今回は、世界における環境産業とはどんな産業を指すのか、その内容はなど概略について報告します。

 

環境産業の分類

環境省では従来環境ビジネスの分類はOECD(経済協力開発機構. Organisation for Economic Co-operation and Development)が“The Environmental Goods & Services Industry (1999)より”定めた分類を利用し、

(1)「環境汚染防止」
(2)「環境負荷低減技術及び製品」
(3)「資源有効利用」

の3大項目分類を使用していましたが、本年度より「地球温暖化対策関連産業を確認しやすくする等、日本における環境産業や政策の現状を踏まえて、

A.「環境汚染防止」
B.「地球温暖化対策」
C.「廃棄物処理・資源有効利用」
D.「自然環境保全」

の4大項目からなる分類に改定しました。」と範囲を拡大しています。

表-1 改訂された環境産業分類(環境省資料より)

 

(参考資料)従来のOECD分類

表-2 OECDによる環境ビジネス分類(The Environmental Goods & Services Industry (1999)より)

A. 環境汚染防止

装置及び汚染防止用資材の製造

B.環境負荷低減技術及び製品(装置製造、技術、素材、サービスの提供)

C.資源有効利用(装置製造、技術、素材、サービス提供、建設、機器の据え付け)

環境産業市場の動向

世界の環境産業市場規模は2009年度においてはリーマンショックの影響を受けて67兆円と前年度(2008年度は75兆円)に比べて縮小したが、2010年度は69兆円と2008年度には及ばないものの2009年度より4%増加した。 雇用規模も2009年度が約180万人に対して2010年度は約185万人と3%増加したと推計しています。

市場規模及び雇用規模共に、C.廃棄物処理・資源有効利用が半分以上を占めている事がわかる。A.環境汚染防止は市場規模の割に雇用規模が少なく、逆にD.自然環境保全は市場規模が小さい割に雇用規模が大きい傾向が見て取れます。

2010年度において2009年度と比較して伸び率が大きい産業分類は前年(2009年)比で伸び率が大きいのは、B.地球温暖化対策の「再生可能エネルギー」や、C.廃棄物処理・資源有効利用の「廃棄物処理・リサイクルサービス」と「リフォーム・リペア」や、D.自然環境保全の「持続可能な農業・漁業」等です。

環境省は今後、中国を中心に環境産業は大きく成長すると予測しています。

まとめ

世界の環境ビジネスはリーマンショックにより停滞したが、全体的には成長産業として位置付けられます。世界の各シンクタンクによって、今後の予測は異なりますが、環境省の予測ではアジアにおける環境ビジネスの成長は著しく、中国、インド、タイ、インドネシア、ベトナムの成長が顕著であるとしています。中でも中国は2030年には現状の4倍に成長すると予測しています。分類別では現状では廃棄物処理・資源有効利用が大きな割合を占めていますが、今後は環境汚染防止や自然環境保護などが大きく伸びるとしています。

今後は再生可能エネルギーの利用拡大なども含め、環境ビジネスは大きな市場を形成して行く事は疑いのないことであり、各企業においても自社の資源を有効に利用した環境関連のビジネスを新規事業として考えてみるのも必要かと思われます。

引用・参照情報

注意

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