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home>環境について>環境関連情報>地球温暖化>2030年温室効果ガス排出量26%削減への道 #6

2030年温室効果ガス排出量26%削減への道 #6

2017-07-26

~グローバル企業が次々と打ち出す「SBT」とは~

 はじめに

2017年5月11日付け日経ビジネスオンラインに「キリン、コマツ、ソニーが打ち出す『SBT』~なぜグローバル企業は「2℃未満」にこだわるのか~」と題する記事が掲載されました。記事では「米コカ・コーラ・エンタープライズや米デル、米ヒューレット・パッカード・エンタープライズ、スイス・ネスレ、米ウォルマートらが名を連ねる中、日本企業は川崎汽船、キリンホールディングス、コニカミノルタ、コマツ、ソニー、第一三共の6社がSBTを掲げた」とし、続けて「近々、目標を設定するとして約束した221社のうち、日本からはNTTドコモや花王、大成建設、ダイキン工業、大日本印刷、トヨタ自動車、日産自動車、ホンダなどが名乗りを挙げている」としています。
記事に社名が記された川崎汽船株式会社は、2017年2月14日付けのニュースリリース「当社のCO2削減目標が『Science Based Target (SBT) 』として認証~『パリ協定』に貢献する目標として評価 ~」で、同社が自社の事業により排出する温室効果ガスを2030年に30%、2050年には50%削減する目標を掲げ、この2030年目標は「SBT認証」を得たと述べています。

図1 SBTシンボルマーク

同じく記事に社名が記されたコニカミノルタ株式会社のホームページには、2017年3月2日付けで「コニカミノルタのCO2削減目標が『Science Based Targets (SBT) イニシアチブ』の承認を取得~2030年までに2005年度比で60%削減をコミット~」と記載されています。
グローバル企業はなぜ自主的に温室効果ガス削減目標に向けた企業努力を行おうとしているのでしょうか。米国のトランプ大統領が2017年6月1日にパリ協定からの離脱を宣言したにも関わらず、世界的に温室効果ガス削減の流れは変わることはないようです。京都議定書時代には、企業の多くは対応に後ろ向きでしたが、パリ協定においては民間企業が率先して政府を牽引して行くように変化してきています。
今回は、SBTとは何か、なぜ多くのグローバル企業が競って温室効果ガス削減に進もうとしているのか、この背景について解説してみたいと思います。

SBTi (Science Based Targets Initiative) とは?

公益財団法人世界自然保護基金ジャパン及びSBTiに参加している企業のホームページなどによると、SBTi とは、温室効果ガスの排出削減目標達成を推進するために、CDP (企業の環境保全の取り組みを調査・評価・開示するNPOで、企業価値を測る世界共通の指標として評価結果を開示している組織)、国連グローバル・コンパクト、WRI(世界資源研究所)、WWF(世界自然保護基金)の4団体が2015年に共同で設立した組織であると説明しています。

【SBTの定義】

SBT公式ウェブサイトの「SBT紹介パンフレット(日本語版)」では、「企業による温室効果ガス(GHG)の削減目標が、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次評価報告書(AR5)に記述されているように、地球の気温上昇を産業革命前の気温と比べて2℃未満に維持するために必要な脱炭素化のレベルと一致している場合に、それらの目標は科学と整合したものとみなされます」と述べています。

【企業の役割】

政府、企業、市民社会やその他の主体による気候変動対策の実施にもかかわらず、人為起源のGHGの総排出量は増加し続けています。 現在のペースが続けば、全球平均気温は、今世紀末までに3.7から4.8℃上昇すると予測されています。これは、これまで世界の科学界が安全としていた温暖化レベルをはるかに超えています。
世界の炭素予算とは、気温の上昇幅を辛うじて対処可能な2℃というレベルに、ある程度の確信度をもって抑える上で許容されるGHGの総排出量のことです。SBTでは、この炭素予算を参照し、既存の様々な手法を活用しながら、企業に対してGHGの排出量を配分し、企業の排出上限を設定します。
世界のGHG排出の大部分は、直接的または間接的に企業部門の影響を受けています。 私たちの環境を保護し、低炭素経済への移行をスムーズで豊かなものにするために、企業は明確な役割を担っているのです。

SBTを設定することによる4つの利点(SBT紹介パンフレットより引用)

GHGの排出を削減することによって、私たちの気候と地域社会を守ることになります。さらに、事業活動にとっても良い影響があります。 SBTを設定する企業は、長期的な事業価値を構築でき、以下に示す4つの重要な点において将来的な収益性を守ることができます:
1. イノベーションを後押しする
低炭素経済への移行は、新しい技術や事業慣行の進展を引き起こします。 意欲的な目標を今掲げる企業こそが、将来のイノベーションと変革をリードするのです。
2. コストを節約し、競争力を高める
意欲的な目標を今掲げておくことで、特に化石燃料由来の資源価格がますます上昇する将来において、無駄のない効率的で息の長い企業になることが保証されるでしょう。 原材料価格の上昇しだいで、収益を得るか損失を被るかの分かれ目になり得るのです。
3. 企業の信頼と評判を築く
気候変動におけるリーダーシップをとることで、企業に対する、投資家、顧客、従業員、政策立案者や環境団体といったステークホルダーからの信頼と評判は、確固たるものになります。 世界中の消費者の約半数が、気候変動は自分の生活に悪影響を与えると考えており、消費者の65%が、人間活動が気候変動の原因であると考えています。 また、多くの企業はバリューチェーン内のGHG排出を削減したいと考えており、気候変動対策を真面目に実施しているサプライヤーとのビジネスをこれまでになく望んでいます。
4. 公共政策の変更に影響を与え、そなえる
意欲的な対策を今実施しておくことで、企業は「将来導入されるであろう」温暖化政策や規制に対して先手を取ることができます。 リーダーとされる企業は、政策立案者に影響を与え、法律を定めるにあたり進言をすることもできるでしょう。

SBT認証を受けるために(SBT紹介パンフレットより引用)

1. コミットメントレターフォームに必要事項を記入し提出する
「コミットメントレター」を提出することで、貴社がSBT (Science Based Targets)の設定にコミットメントを表明していることを示します。 コミットメントレターを提出した企業は、SBTのWEBページ(sciencebasedtargets.org)だけでなく、パートナーであるWe Mean BusinessやCDPのWEBサイトにおいても「SBT (Science Based Targets)を設定することを約束した」企業として評価されます。あなたの企業がすでにSBT(science based target)を策定済みである場合、このレターの提出は、「アクションへの呼びかけ」に参加し、策定済みの目標がアクションへの呼びかけの基準(ステップ3を参照)に合致しているか、レビューを受けることに関心があるということの表明になります。 info@sciencebasedtargets.orgに記入したコミットメントレター(SBTのWEBサイトからダウンロード可能)をお送りください。
2. 目標を策定する
24ヶ月以内にSBT(Science Based Targets) を策定します。
3. 目標を発表する
目標が策定できたら、「Target Check フォーム」(SBTのWEBサイトからダウンロード可能)をinfo@sciencebasedtargets.orgに提出します。 フォームによって提供された情報に基づき、Science Based Targets チームが、貴社の目標を基準に照らして審査します。 承認が済むと、貴社は、Science Based TargetsのWEBサイト(sciencebasedtargets.org )やその他のコミュニケーションにおいてリストに表示され紹介されます。

まとめ

パリ協定の発効により国家及び地域とともに、民間企業が自主的に「2℃目標」に意欲的に取り組もうとする動きが広がり始め、特にグローバル企業は競って目標設定を行っていますが、その背景にあるのがSBT(Science Based Targets Initiative)です。SBTイニシアチブは企業が科学的な根拠の上に立って長期的に「2℃目標」達成を可能とする中期目標(5年~15年先の目標)の設定を行い、これを審査し認定を行う仕組みです。
SBTは「認証取得の利点」を4つほど挙げていますが、企業が熱心に温室効果ガス(GHG)排出量削減に取り組む最大の理由はSBT設立4団体(国連グローバル・コンパクト、世界資源研究所、世界自然保護基金、CDP)に名を連ねるCDPの存在があるように思えます。
本コラムでも過去に触れたことがありますが、CDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)とは、「機関投資家が連携し、企業に対して気候変動への戦略や具体的な温室効果ガスの排出量に関する公表を求めるプロジェクト」のことで、このプロジェクトは2000年にスタートしました。主要国の時価総額の上位企業に対して毎年質問表が送付され、企業側からの回答は集計され取り組みに応じた点数が公表されます。これが世界の機関投資家にとって企業価値を測る重要な指標になってきています。
2017年6月30日現在、国内においてSBT認証を取得している企業は、ソニー、第一三共、川崎汽船、コニカミノルタ、キリンホールディングス、小松製作所の6社ですが、科学と整合した目標を設定することにコミットしている企業は28社に上っており、今後も加速度的に増える傾向にあると思われます。我国ではエネルギー管理を目的とした改正省エネ法を通じて、企業のバリューチェーンにおける温室効果ガス(GHG)排出量の算定や報告の方法を示す「GHGプロトコルSCOPE3算定報告書」も整備されており、取り組みやすい環境にもありますので、会員企業においても早めの詳細調査をお勧めしたいと思います。
※追記「GHGプロトコルSCOPE3」については、別途解説する予定です。

引用・参考資料

・キリン、コマツ、ソニーが打ち出す「SBT」 なぜグローバル企業は「2℃未満」にこだわるのか (日経ビジネスオンライン、2017年5月11日)
・「SBT」とは何ですか? (CSRコミュニケート、2017年1月)
・当社のCO2削減目標が「Science Based Target (SBT)」として認証 ~「パリ協定」に貢献する目標として評価 ~ (川崎汽船、2017年2月1日)
・コニカミノルタのCO2削減目標が「Science Based Targets (SBT) イニシアチブ」の承認を取得 ~2030年までに2005年度比で60%削減をコミット~ (コニカミノルタ、2017年3月2日)
-企業の気候変動戦略の今- 「パリ協定」と「SBT」 (みずほ総研、2016年11月15日)
・【国際】Science Based Targets(SBT)の加盟企業、150社を突破。トヨタ自動車も参加 (ニューラルサステナビリティ研究所、2016年5月30日)
・【国際】Science Based Targets(SBT)に114社が加盟。科学的根拠に基づくCO2排出削減目標を推進 (ニューラルサステナビリティ研究所、2015年12月28日)
・SBT参加企業一覧 (Science Based Targets、2017年5月末現在)
・Companies Commit to Set Ambitious Science-Based Emissions Reduction Targets, Surpassing Goal (Science Based Targets)
・About the science based target initiative (Science Based Targets)
・気候セミナー開催報告:企業の排出削減目標の新しいスタンダード『Science Based Targets』 (公益財団法人世界自然保護基金ジャパン、2015年11月9日)
・Science Based Targetsイニシアティブ(SBTi)とは (公益財団法人世界自然保護基金ジャパン)
・SBT紹介日本語版パンフレット (SBT)
・SBT公式ウエブサイト(英語) (SBT)
・SBTマニュアル3.0 (英語) (SBT)
・Science Based Targets 『Call to Action』ガイドライン (SBT)
・Science Based Targets SBTiの基準(クライテリア)と推奨事項 (SBT)
・Science Based Targets 『SECTORAL DECARBONIZATION APPROACH(部門別脱炭素化アプローチ)』  (SBT)

 

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