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home>環境について>環境関連情報>化学物質規制・管理>RoHS2指令の新しい動き

RoHS2指令の新しい動き

2018-08-27

~新規制限物質と適用除外の検討~

はじめに

ドイツのフライブルクにあるÖko-Institut e.V.(応用生態学研究所または環境研究所)は2018年1月9日付けで、同所の「RoHS評価」に関するHPにおいて、「指令2011/65 / EU(RoHS 2)に基づき新たな規制物質のリストの見直しと適用除外要求を評価するための新しいRoHSプロジェクト(パック15)を開始した」と発表しました。
Öko-Institut e.V.は民間の非営利団体で、EU委員会(EC)の委託を受けて従来からRoHS指令に関する規制物質の追加や適用除外に関してステークホルダーと共同で作業を進めて来ていますが、今回RoHS改定に関する新しいプロジェクト(パック15)がスタートしていますので、その動きについて追跡し本コラムにて逐次報告して行きたいと思います。
今回は新プロジェクトスタートから現在までの動きについて概要をお伝えします。

 

Öko-Institut e.V.について

Öko-Institut e.V.(応用生態学研究所または環境研究所)とは、同所のHPやその他の情報より「ドイツのフライブルクに本部を有する非営利、民間の環境研究機関であり、もともとは1977年に反核運動を起源に設立されました。この研究所は、フライブルク、ダルムシュタット、ベルリンのオフィスに約150人のスタッフを有し、毎年約100のプロジェクトに対して科学的研究手段によって、政策立案者、環境NGO、機関および企業に対して報告書の提出、助言を行っています」と説明しており、同研究所の研究テーマ分野は以下の通りです。

・化学物質の管理と技術評価
・エネルギーと気候
・排出ガスおよび環境汚染防止、放射線防護
・農業と生物多様性
・持続可能な消費
・原子力工学と施設の安全
・法律、政策、ガバナンス

RoHSプロジェクト(パック15)の概要とÖko-Institut e.V.の役割

Öko-Institut e.V.は、EU委員会(EC)からの委託を受けてRoHS指令の改定に関する支援を行います。ECはÖko-Institut e.V.に対して、新たな制限物質の検討と、適用除外をどのようにして許可するかを決定するためのプロジェクト(パック15)を立上げ、今後ステークホルダーと共に協議を重ねECに対する報告を行う予定です。

パック15プロジェジュトは上記の通りECより提案された「新規規制物質の妥当性」と「適用除外の許可決定法」の2つの検討が行われます。

(1)Part1:新規制限物質に関するレビュー

制限物質リストのレビューには、次の3つの作業が含まれます。
・既存の方法論を更新して、制限の可能性のある物質を特定し評価する。
・将来の可能性を考慮して物質を評価する。
・EEE(電気電子機器)で使用される物質の定量的使用データを決定する。
パック15の一部として7つの物質が以下の通り新規規制物質候補として提案されています。

表1 パック15で新規に規制を検討する物質(出典: Öko-Institut e.V.)

No. 候補物質名 CAS No. 用途
英名 和名
1 Diantimony trioxide 三酸化二アンチモン 1309-64-4 難燃剤、顔料、ガラスの助剤、触媒など
2 Tetrabromobisphenol A テトラブロモビスフェノールA (TBBP-A) 79-94-7 難燃剤など
3 Indium phosphide リン化インジウム 22398-80-7 超高速半導体素子の基板など
4 Medium chain chlorinated paraffins (MCCPs) – Alkanes, 14-17, chloro 中鎖塩素化パラフィン(MCCP) – アルカン、14〜17、クロロ; 85535-85-9 難燃剤、ポリ塩化ビニル用可塑剤、潤滑油添加剤など
5 Beryllium and its compounds ベリリウムおよびその化合物 7440-41-7

(-)

X線装置や構造材、鏡、合金材料、音響材料、電子材料など
6 Nickel sulphate and nickel sulfamate 硫酸ニッケルおよびスルファミン酸ニッケル 注1)

注2)

ニッケルめっき用薬剤、電気鋳造など
7 Cobalt dichloride and cobalt sulphate 二塩化コバルトおよび硫酸コバルト 注3)

注4)

顔料、ガラス、陶器の着色、ビールの泡の安定剤、ガラスや陶磁器の彩色用顔料となる他、電池や電気めっき、不可視インク原料など

 

注1)硫酸ニッケルのCAS No.は7786-81-4(無水物)、10101-97-0(六水和物)、10101-98-1(七水和物)
注2)スルファミン酸ニッケル(別名:アミド硫酸ニッケル)のCAS No.は124594-15-6(スルファミン酸ニッケル(Ⅱ)四水和物)、13770-89-3(無水物?)
注3)二塩化コバルトのCAS No.は各々7646-79-9(無水物)、7791-13-1(六水和物)
注4)硫酸コバルトのCAS No.は各々10124-43-3(無水物)、13455-64-0(一水和物)、10026-24-1(七水和物)

(2)Part2:適用除外評価

パック15の適用除外評価部分については、「適用除外の方法論と評価法の見直し」のために技術的および科学的サポートをÖko-Institut e.V.が行います。
方法論のガイダンスの見直しを行った上で、現在要求されている「LED半導体チップ上のオンチップアプリケーションのための発光材料中のカドミウム」の適用除外についてもパック15の間に新しい評価法によって評価します。

※昨年(2017年)の規制物質リストの見直しにより、附属書IIに4種のフタル酸エステルが追加されました。これは2019年7月からEEEで規制されなければなりません。
※これらのパック15評価の過程では、まだ予定されていませんが、ステークホルダーとの協議が行われる予定です。このプロジェクトは、2019年6月28日まで実行される予定です。

プロジェクト(パック15)発足以後の主な動き

(2018年4月20日発表)

新しいRoHSのステークホルダーとの協議が行われています。期間は2018年4月20日から2018年6月15日までの8週間です。協議内容は附属書IIの規制物質リストの見直しと修正、新規提案7物質の情報収集です。出来るだけ多くの人に情報提供をお願いします。

(2018年5月2日発表)

以下2件の情報提供がありました。
・テトラブロモビスフェノールA(TBBP-A)に関して国際臭素審議会(BSEF) より
・ベリリウムとその化合物に関して日本のJX日鉱金属株式会社より

(2018年5月25日発表)

新規提案7物質について「制限物質一覧の見直しを支援し、RoHS 2(パック15)による新たな適用除外要求を評価するための調査」を行っており将来の制限の可能性を調査中です。これは3週間で終了します。

(2018年6月8日発表)

「制限物質一覧の見直しを支援し、RoHS 2(パック15)による新たな適用除外要求を評価するための調査」に対して新規に以下2件の情報提供がありました。
・ニッケル硫酸塩とスルファミン酸ニッケルに関してCarl Zeiss Jena GmbHにより
・ベリリウムとその化合物に関してオリンパスにより

(2018年6月21日発表)

新規提案7物質に関する情報はほぼ出揃いました。各物質の情報はCIRCABC websiteに公開しています。
※CIRCABC websiteへはRoHS Evaluationよりリンクがあります。

まとめ

(1) 本プロジェクト(パック15)はスタートしたばかりであり、2019年6月28日まで実行される予定ですが、もし順調に進んだとしても、新規7種類の規制物質候補が仮に規制対象と結論付けられても、官報が発行され、各国の国内法が制定されるまでには、1~2年を要すると思いますので、かなりの猶予があると思われます。
(2) No.5はベリリウム及びその化合物となっています。全てのベリリウム化合物が対象となりますので、早めにサプライチェーンでの含有確認をされた方が賢明と思われます。
(3) No.6の硫酸ニッケルおよびスルファミン酸ニッケル、No.7の二塩化コバルトおよび硫酸コバルは結晶に水を含む(水和物)と結晶水の形態によってCAS No.がそれぞれ変化しますので、注意が必要です。
(4) No.6のニッケル化合物はニッケルメッキ浴剤ですので、注意が必要かと思われます。
(5) RoHSの新規制限物質の決定、適用除外の認定などは今後もÖko-Institut e.V.が継続して担当して行く可能性が高いと思われますので、リアルタイムでの情報収集のためには同所のHP 「RoHS Evaluation」を注視して行くのが良いと思われます。
(6) RoHSはEUの指令ですが、上述した通り日本の企業も情報提供を行っていますので、不都合があり有用な情報提供ができる場合には、Öko-Institut e.V.に提供することが重要だと言えます。

引用・参考資料

  • Project (Öko-Institut e.V., 2017年12月)
  • Study to support the review of the list of restricted substances and to assess a new exemption request under RoHS 2 (Öko-Institut e.V., 2018年2月1日)
  • RoHS Evaluation (Öko-Institut e.V., 2018年6月21日)
  • List of Restricted Substances under RoHS 2 (Umwelybundesamt)
  • RoHS指令に関する新たな調査プロジェクト (J-Net21、2018年4月27日)
  • New EU RoHS Project to Review Restricted Substance List and Exemptions (Verisk3E、2018年2月13日)
  • Medium-chain chlorinated paraffins (MCCPs): a reView of bioaccumulation potential in the aquatic environment.(PubMed)
  • 化審法データベース (製品評価技術基盤機構)

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