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home>環境について>環境関連情報>地球温暖化>2030年温室効果ガス排出量26%削減への道 #13

2030年温室効果ガス排出量26%削減への道 #13

2018-09-25

~2018年夏の異常気象について~

はじめに

2018年6月28日から7月8日にかけて、西日本を中心に北海道や中部地方も含めて、台風7号及び梅雨前線等の影響を受け、広い範囲で記録的な豪雨に見舞われました。特に、瀬戸内海地域では、これによる甚大な被害を受けました。また、2018年7月25日から8月3日に掛けて発生した台風12号は、過去に記録がない「通常の台風の進路を逆走する形で日本列島を通過」して行きました。

さらには、梅雨明けから北海道と東北の一部を除く地域で連日記録的な暑さが続いています。この夏の記録的な暑さは、日本だけではなく、北半球のほぼ全域で生じており、特に高緯度地域では、同時に干ばつも発生しました。

反面、カナダのニューファンドランド島では6月26日に雪が2センチ積もり、南極は地球上とは思えない-97.8℃という過去超低温を記録したとも報じられています。

気象庁によると、「異常気象」とは「一般には、過去に経験した現象から大きく外れた現象のことを言います。大雨や暴風等の激しい数時間の気象から、数か月も続く干ばつ、極端な冷夏・暖冬まで含みます。また、気象災害も異常気象に含む場合があります。気象庁では、気温や降水量などの異常を判断する場合、原則として『ある場所(地域)・ある時期(週、月、季節)において30年に1回以下で発生する現象』を異常気象としています」と定義しています。

しかし、日本気象協会によると、2018年6月30日に長崎県対馬市で50年に一度の大雨、7月3日に久米島で50年に一度の記録的な大雨、7月8日に鹿児島県で50年に一度の大雨、さらに上述の西日本の広域では100年に一度とも言われた記録的な大雨があり、これら一連の異常気象について、気象庁が、また世界的な異常気象については国連の世界気象機関(WMO)が各々の立場で、コメントを発していますが、世界気象機関のElena Manaenkova事務総長は「2018年は、多くの国で過去最高気温を記録し最も注目された年のひとつになりつつあります。これは驚くことではありません。温室効果ガス排出量を削減することは、将来のシナリオではなく、今まさに起こっていることです」と警告しています。

私達にとっては今年の夏の異常気象が、今年たまたま起きたのか、来年以降も継続的に起こりうるのか心配ですが、今回は気象庁及び世界気象機関のコメント、IPCCの第5次報告書などの内容から、今年の異常気象について、その原因やメカニズムを、私見を交えてまとめてみたいと思います。

 

気象庁による2018年夏における異常気象の分析

気象庁は2018年8月10日付けで、「『平成30年7月豪雨』及び7月中旬以降の記録的な高温の特徴と要因について」と題する報道発表を行いました。

まず、この夏の記録的な豪雨の原因としては「西日本から東海地方を中心とした記録的な大雨の要因は、西日本付近に停滞した梅雨前線に向けて、極めて多量の水蒸気が流れ込み続けたことです」とし、記録的な高温の要因については「(夏の高気圧である)太平洋高気圧と上層の(冬の高気圧である)チベット高気圧・オホーツク高気圧がともに日本付近に張り出し続けたことです」としました。なぜそのような現象が起こったのかについては「これら一連の顕著な現象は、持続的なジェット気流(対流圏上層に位置する強い偏西風の流れ)の大きな蛇行が繰り返されたことで引き起こされました」としています。

では、なぜジェット気流が蛇行するのでしょうか。本コラムの2018年2月19日付け「2030年温室効果ガス排出量26%削減への道 #10~地球は温暖化しているのに、なぜ大寒波?~」で、「北極海の海水温上昇が原因」と述べましたが、気象庁の分析では「これらの背景としては地球温暖化に伴う気温の上昇と水蒸気量の増加に加え、特に高温の背景には、今春以降持続的に、北半球中緯度域で大気循環が全体的に北にシフトしていたことに対応して、顕著に気温が高いことの影響も考えられます」と述べています。IPCC(国連の気象変動に関する政府間パネル)の第五次報告書においても、地球温暖化により「1901年以降、陸地では平均降水量が増加しているなど、地球規模で水循環に変化が生じています。特に、降水量の変化については、地域や季節での極端化(偏在化)が観測されています」とし、「特に、北半球の中緯度の陸地では、他の地域と比べて平均的に降水量が増加しました」と述べています。即ち、気温と海水温に上昇によって、水蒸気量が増加するため、必然的に降水量が増加する結果となります。

 

世界気象機関のコメント

この夏の異常高温は日本だけではなく、北半球の多くの地域が異常な高温と干ばつ、森林火災に見舞われています。世界気象機関の報告によると、欧州全域、特にスカンジナビア半島では北極圏でも熱波が継続し30℃超えの気温が続き、7月17日ノルウェーのバルドゥフォスで33.5℃、フィンランドのケヴォで33.4℃を記録、また7月8日に米国カリフォルニア州のデス・バレー国立公園にあるファーネス・クリークの観測点では52.0℃、ロサンゼルス近郊のチノで48.9℃、デス・バレー国立公園で53℃など、軒並み記録的な高い気温が観測されました。また中東や北アフリカでも軒並み高温の記録が報告され、北アフリカでは7月5日にアルジェリアのサハラ砂漠のワルグラは、最高温度51.3℃、7月3日モロッコのブアルファで43.4C、 6月25日/ 26日には中東オマーン沖のマスカットのすぐ南にあるクアリャットでは、24時間最低温度42.6℃を記録しました。

世界気象機関はこの異常高温の原因について「北ヨーロッパを含む一部の地域で高い気温が継続している原因は高気圧が居座っているため」としています。この現象は、北半球及び南半球での一般的な現象であり、地球の表面から約10kmの高度を西から東に吹くジェット気流により高気圧は移動しますが、夏はこのジェット気流がより遅く、また時として弱くなる傾向にありますが、海面温度の上昇が大気循環の変化に大きな影響を及ぼしていると考えられるとしています。

まとめ

2018年夏に我が国では過去に記録がないほどの集中豪雨、記録的高温、台風の逆走など多くの異常気象が観測され、大きな被害がもたらされました。この異常気象は、我が国だけでなく、北半球の全域での高気温と干ばつ、逆に南極における記録的な超低温なども観察されました。

この異常気象に関して、気象庁及び世界気象機関がその原因やメカニズムなどについて分析を行いました。

(1)地球温暖化により海水温が上昇し、その結果水蒸気の発生量が増加し、中緯度地域の降水量は増加傾向にある。(地球上の水循環の変化)

(2)高気圧は、ジェット気流(地球の自転による西から東へ吹く風:偏西風)により移動するが、夏にはジェット気流が弱く、遅くなるため、高気圧の動きが遅くなり居座る傾向が強まるが、地球温暖化の影響により、高気圧の動きがより鈍くなる。(地球上の大気循環の変化)

(3)偏西風の蛇行と北上により、高緯度地域でも高気温を記録。(地球の大気循環の変化)

上記のように、今年に夏の異常気象は、少なからず地球温暖化の影響を受けて発生したと言えます。

水蒸気は二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスに比べて何倍もの温室効果をもたらすと言われています。IPCCでもこの点を曖昧にしていますが、海水温が上がると、水蒸気量が増え、同時に海洋が吸収する二酸化炭素量が減少しますので、加速的に地球温暖化が進むのではないかと筆者は危惧しています。

今後数年の気象変化を注意深く見守りつつ、世界の気象学者の予測通り、気象変動の緩和は「まだ間に合う」を信じたいと思います。

引用・参考資料

  • July sees extreme weather with high impacts (WMO:国連世界気象機関、2018年8月1日)
  • 「平成30年7月豪雨」及び7月中旬以降の記録的な高温の特徴と要因について (気象庁、2018年8月10日)
  • 「平成30年7月豪雨」及び7月中旬以降の記録的な高温の特徴と要因について~添付資料~ (気象庁、2018年8月10日)
  • 日本の異常気象 (気象庁)
  • 日本だけじゃない:7月は世界各地で異常気象 WMO報告 「最低気温が42度」の地域も (IT media Business online)
  • 気候・異常気象について (気象庁)
  • 鹿児島県で50年に一度の大雨 (日本気象協会)
  • 久米島で50年に一度の記録的な大雨 (日本気象協会)
  • 長崎県対馬市で50年に一度の大雨 (日本気象協会)
  • 北極圏で33度、中東で51度…異常気象、世界でも (朝日新聞デジタル、2018年7月25日)
  • 人間活動がはじめて季節を変えた? 日本と世界を襲う記録的な猛暑の背景 (日本版News Week、2018年7月25日)
  • 気象庁が異常気象分析検討会を開催、7月豪雨や酷暑は「異常気象の連鎖」 (The Page、2018年8月10日)
  • 温暖化で猛暑や豪雨悪化の恐れ、気象変化鈍り長期化=研究 (ロイター通信、2018年8月21日)
  • 地球上で最も寒い「マイナス97.8℃」南極で観測 (Yahooニュース/森さやかNHK国際放送局、気象アンカー、気象予報士)
  • 2030年温室効果ガス排出量26%削減への道 #10~地球は温暖化しているのに、なぜ大寒波?~ (日本バルブ工業会、2018年2月19日)

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