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home>環境について>環境関連情報>環境経営・戦略・政策>EUにおける環境基本戦略 #3

EUにおける環境基本戦略 #3

2021-03-16

~有害化学物質のない環境に向けた持続可能な化学物質戦略 #2(附属書)~

はじめに

2021年1月12日付け本コラム「EUにおける環境基本戦略#1~欧州グリーンディールとは~」と、2021年2月22日付け本コラム「EUにおける環境基本戦略 #2~有害化学物質のない環境に向けた持続可能な化学物質戦略#1(本文)~で解説しましたが、2050年までの欧州基本戦略「欧州グリーンディール」とそれを達成するための8つの個別戦略の1つである「Chemicals Strategy for Sustainability Towards a Toxic-Free Environment (有害物質の無い環境に向けた持続可能な化学物質戦略)」(以下、EU化学物質戦略)について、EU委員会がより具体的な行動計画を「附属書」にまとめていますので、今回はこれについて解説したいと思います。

EUの「グリーンディール」
図1 EUの「グリーンディール」(筆者作成、出所:EU委員会、2019年12月11日)

EUの有害化学物質の無い環境に向けた持続可能な化学物質戦略(附属書)

附属書は表1に示す内容で構成されています。
※筆者による和訳です。筆者の主観により重要と思われる箇所を赤字で表示しました。表1中の注釈は、表2にまとめて示しています。

<行動計画>

立法案やREACH規則の対象を絞った修正を含む、この行動計画で提示された措置はすべて、より良い規制原則に沿って実行され、必要に応じて評価と影響評価の対象となる必要があります。

表1 EU化学物質戦略に対するEU委員会の行動計画(出典:EU委員会)

委員会がとるべき重要な行動 EU法 実行計画
化学物質法の効率と有効性を促進し、革新的な安全で持続可能な化学物質の開発と取り込みを促進し、戦略の行動の影響を監視することを目的として、高レベルの円卓会議を設定する。   2021
安全で持続可能なEU化学物質の革新
化学物質に関するEUの安全で持続可能な設計基準を開発する   2022
EU全体の安全で持続可能な設計によるサポートネットワークを確立する。   2023
安全で持続可能な設計による物質、材料、製品の開発、商品化、展開、および取り込みに対する財政的支援を行う。   2021以降
安全で持続可能な設計によるスキルの不一致と能力のギャップをマッピングし、推奨事項を作成する。   2021
安全で持続可能な化学物質の生産に向けた産業の移行を測定するための主要業績評価指標を確立する。   2021
持続可能な製品への取り組みを通じて、PFASを含む製品中の懸念物質の存在に関する法的要件を導入する。 (今後)持続可能な製品イニシアチブ 2021-2022
低炭素で環境への影響が少ない工業生産と化学物質の使用のためのグリーンでスマートな技術、先端材料、革新的なビジネスモデルの開発を促進するためのイニシアチブと資金を援助する。   2021以降
特に中小企業や新興企業のためのリスクファイナンスへのアクセスを行う。   2021以降
EU産業によるより安全な化学物質の使用を促進するために、産業排出に関するEU法を改正する。 産業排出指令 2021末
化学物質が重要な構成要素である主要なバリューチェーンと依存関係を特定し、利害関係者と協力して、化学物質に関するEUの戦略的先見性を高める。   2021以降
スマートスペシャライゼーションを通じて、持続可能な化学物質のバリューチェーンに沿った地域間コラボレーションを促進し、共同投資プロジェクトを開発する。   2021以降
デジタルおよびグリーン移行のための労働力のスキルアップとスキルアップのサポートを行う。   2020以降
差し迫った環境と健康の懸念に対処するためのより強力なEUの法的枠組み
発がん性、変異原性および生殖毒性物質(CMR)、内分泌かく乱物質、持続性、生体内蓄積性および毒性(PBTおよび非常に長期に生体内への蓄積性(vPvB)物質、免疫毒性物質、神経毒性物質、特定の臓器に毒性のある物質および物質群、呼吸器感作物質をREACHに基いて優先して制限するロードマップを作成する。 REACH規則(コミトロジー)
注1)
2021
消費者向け製品が癌、遺伝子突然変異を引き起こしたり、生殖系または内分泌系に影響を及ぼしたり、持続的な生体蓄積性を有する毒性のある化学物質を含まないようにするためのリスク管理への一般的なアプローチを拡張する提案を行う。免疫系、神経系、呼吸器系に影響を与える化学物質や特定の臓器に毒性のある化学物質など、さらなる化学物質に同じアプローチを拡張するためのモダリティとタイミングを評価する。 REACH規則第68条2項(注1)
食品接触材料規則

化粧品規則
玩具安全指令
影響評価によって特定される
他の消費者製品(洗剤など)
の法制度
2021
2021
2021
2021
REACH第68条2項を改正して専門業者を含める提案を行う。 REACH規則 2022
保育用品およびその他の子供向け製品(玩具を除く)に含まれる有害化学物質からの子供の安全性を強化するため、一般製品安全指令およびREACH規則に定める法的要件を導入する。 REACH規則(コミトロジー)(注2)
一般製品安全指令
2022
2021
職場での健康と安全のための次の戦略的枠組みの過程で、労働安全衛生の分野で確立された協議プロセスに従って委員会が職業上の制限を設定することを提案する。最も有害な物質を特定することを含め、危険物質への労働者の曝露に対処するためのさらなる優先順位を定義する。 労働安全衛生のための戦略的枠組み 2021
社会的パートナーと協議し、特に鉛とアスベストの既存の職業限界値を下げることを提案し、ジイソシアネートの結合限界値を確立することによって労働者の保護を強化する。 化学薬品指令、アスベスト作業指令 2022
モントリオール議定書の定義を考慮して、重要な用途の基準を定義する。   2021-2022
内分泌かく乱物質、PBT/vPvB、持続性および移動性物質に新しい有害性分類を導入するためにCLP規則を改正し、それらをすべての法律に適用する提案をする。 CLP規則 (注3) 2021
特にREACH、化粧品、食品接触材料、植物保護製品、殺生物性製品に関する法律の下で、関連する法律で内分泌かく乱物質を特定できるように情報要件を更新する。 REACH規則(コミトロジー)
殺生物剤規制(附属書)
植物保護製品規制(欧州委員会報告書)
食品接触材料規則
化粧品規則
2022
2021
2021
2022
2022
REACH規則附属書I (注4)に混合物評価指標を盛り込む際の最善な導入方法の評価を行う。 REACH規則(コミトロジー) 2022
水中の化学物質、食品接触材料、食品添加物、玩具、洗剤、化粧品の複合効果を考慮に入れるための規定を導入または強化する。 環境品質基準指令・地下水指令(附属書)
食品接触材料規則
食品添加物に関する委員会規則 (コミトロジー)
洗剤規則
玩具安全指令
化粧品規則
2022
2022
2022
2022
2022
2022
REACH規則第57条(注5)を改正して、内分泌かく乱物質、難分解性と移動性および毒性を有する物質(PMT)、非常に高い難分解性と移動性を有する物質(vPvM)を高懸念物質のリストに追加する提案を行う。 REACH規則 2022
消費者向け製品を含むすべての本質的でない用途のためにREACH規則の下でPFAS(注6)を制限する提案を行う。 REACH規則(コミトロジー) 2022-2024
PFASを可能な場合はグループとして追加するために、環境品質基準指令および地下水指令の付属書を見直す。 環境品質基準指令・地下水指令
(附属書)
2022
食品汚染物質に関する法律に制限を導入することにより、食品中のPFASの存在に対処する。 食品汚染物質に関する委員会規則(コミトロジー) 2022
工場からのPFASの排出と報告に対処するために、産業排出と欧州汚染物質の放出と移動の登録(PRTR)に関する法律を改正する提案を行う。 産業排出指令 2021
下水汚泥に関する法律の改正を含む、廃棄物段階からのPFASの排出に対処するための提案を行う。 下水汚泥指令 2023
世界規模でPFASの懸念に対処するためのストックホルム条約 (注7) とバーゼル条約 (注8) の下での提案を行う。   2023-2024
PFASによる汚染を修復するための革新的なソリューションに対するEU全体のアプローチと財政的支援を行う。   2020以降
法的枠組みの簡素化と統合
単一の公的機関調整ツール、専門家グループ、および委員会調整メカニズムを使用して、化学物質の規制全体で化学物質の危険性/リスク評価を調整するための「1つの物質、1つの評価」プロセスを確立する。   2021以降
化学物質に関するEUの技術的および科学的研究をEU機関に再配分するための水平的提案を行う。   2022
欧州化学品庁(ECHA)の設立規則の提案を行う。   2023
調和のとれた分類を開始する権限を委員会に与えるためにCLP規則を改正する提案を行う。 CLP規則 2021
ナノマテリアルの定義の見直しを行う。   2021
REACH規則の認可および制限プロセスを改正する提案を行う。 REACH規則 2022
ヒトと環境の健康に基づいた閾値に焦点を当てたEUデータベースを設立する。   2022
化学物質の安全性データのオープンプラットフォーム、および関連学術データにアクセスするツールを開発する。   2023
データの再利用に関する法的な障害を取り除き、法全体のデータフローを合理化し、オープンデータと透明性の原則をEUの食品安全部門から他の化学法にまで水平的に拡大する提案を行う。   2023
規制の枠組みの一環としてEUおよび加盟国当局が物質の試験および監視を委託できるようにする提案を行う。   2023
化学物質に関する指標の枠組みを開発する。   2023
欧州監査院を導入するためにREACH規則を修正する提案を行う。 REACH規則 2022
REACH規則に基づく物質のすべての登録に対するコンプライアンスチェックを確実にし、登録番号の取り消しを可能にするREACH規則の改正を行う。 REACH規則 2022
OLAF(注9)の活動範囲を、EUに流通する違法な化学薬品の調査に拡大する提案を行う。   2022
特定の製品のチェックの均一な条件と頻度を設定するために、「市場監視規則」に基づく行為を実施するための提案を行う。 市場監視規制 2022-2023
化学物質に関する包括的で透明性のある知識ベースの提供
神経系および免疫系への影響を含む重大な有害性を持つ物質の特定、グループ化アプローチへの移行、ポリマーのサブセットの登録、化学物質による環境全般への負荷に関わる情報、1~10トン帯の化学物質の安全性に関する報告義務を確実にするための、REACH規則への登録要件を改正する提案を行う。 REACH規則 2022
化学物質の戦略的研究と革新のアジェンダを開発する。   2022
EU全体のヒトと環境の(バイオ)モニタリングへの資金提供を行う。   2020以降
EU化学物質の早期警告および行動システムを確立する。   2023
化学物資の管理を世界的に刺激するモデルの提供
国連GHS(注10)の使用を国際的に促進するための国際機関および業界とのイニシアチブを確立する。   2020以降
CLP規則に沿った基準/ハザードクラスを導入、適応、または明確化するための国連GHSレベルでの提案を行う。   2022-2024
特に資金提供を通じて、化学物質を評価および管理する第三国の能力を構築するための支援を行う。   2020-2022
欧州連合で禁止されている有害性のある化学物質が輸出用に生産されることを防ぐための、関連する法規制の必要に応じた改正を行う。   2023
持続可能なコーポレートガバナンスに関する将来のイニシアチブにおいて、化学物質の持続可能な生産と使用におけるデューデリジェンスを促進する。   2020-2024

表2 表1中のキーワードに対する筆者注釈

No 項目 注釈 注釈の出典
注1 REACH規則第68条(2) 新たに導入及び改正される既存の制限に関する事項 環境省
注2 コミトロジー
Comitology
EUでは法案が欧州連合理事会と欧州議会で採択されると、その執行は欧州委員会が担うが、EU 法に基づき、欧州委の執行業務を補佐する目的で設置された委員会体制の総称。 JETRO
注3 CLP規則 EUにおける危険有害化学品の新たな分類、表示、包装に関する規則 化学物質評価研究機構
注4 REACH規則附属書I 物質の評価及び化学物質安全性報告書の作成のための一般的な規定 環境省
注5 REACH規則第57条 附属書XIVに含まれることとなる物質
附属書XIVは「認可の対象となる物質のリスト」
環境省
注6 PFAS 「パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物」の略で、70年以上使用されて来たフッ素系界面活性剤で種々の用途が有るが、家庭用洗剤、発泡消火剤に多く使用されているが、非常に難分解性が高い物質。
人間や動物の免疫系の障害、睾丸がん, 腎臓がん、甲状腺疾患など様々な疾患の原因物質として疑われている。
ナショナルジオグラフィック、他
注7 ストックホルム条約 残留性有機汚染物質(POPs)に関するストックホルム条約
分解されにくく、環境の広範な汚染が認められ、生物に濃縮されやすく、かつヒトおよび動物への毒性を有する有機化学物質を毒性の強弱により規制する条約
EICネット、他
注8 バーゼル条約 有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約 EICネット
注9 OLAF EUROPEAN ANTI-FRAUD OFFICE(欧州不正防止局) OLAF
注10 国連GHS Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicalsとは、化学品の危険有害性(ハザード)ごとに分類基準及びラベルや安全データシートの内容を調和させ、世界的に統一されたルールとして提供するものです 環境省

まとめ ~附属書の要点~

(1) EU化学物質戦略においては、現状のREACH規則を中心に据えて現状の他の化学物質規制と矛盾のない形に整備することを基本としている。「1つの物質、1つの評価」とする。
(2) REACH規則の対象・適用範囲を一般消費者から工場労働者、流通業者など化学品産業関係者まで拡大する。
(3) REACH規則の運用(登録、認可など)を厳格化し、欧州監査院、欧州不正局など不正登録者の取り消し、罰則などを導入する。
(4) 内分泌かく乱物質、難分解性と移動性および毒性を有する物質(PMT)、非常に高い難分解性と移動性を有する物質(vPvM)などの高懸念物質リスト化。
(5) PFAS「パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物」の完全排除。
(6) 化学物質に関するEUの安全で持続可能な設計基準を開発する。
(7) 筆者の執筆中に環境省より和訳版が公表されましたので、必要に応じて参照ください。

引用・参考資料

  • EUにおける環境基本戦略 #1 ~「欧州グリーンディール」とは~ (日本バルブ工業会、2021年1月12日)
  • EUにおける環境基本戦略 #2 ~有害化学物質のない環境に向けた持続可能な化学物質戦略 #1(本文)~ (日本バルブ工業会、2021年2月22日)
  • A European Green Deal (EU委員会、2019年12月11日)
  • Chemicals Strategy for Sustainability Towards a Toxic-Free Environment (EU委員会、2020年10月14日)
  • 同上附属書 (EU委員会、2020年10月14日)
  • 有害物質のない環境に向けた持続可能な化学物質戦略/本文(環境省仮訳) (環境省/化学物質国際対応ネットワーク)
  • 有害物質のない環境に向けた持続可能な化学物質戦略/附属書(環境省仮訳) (環境省/化学物質国際対応ネットワーク)

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