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home>環境について>環境関連情報>地球温暖化>カーボンニュートラルとは #1

カーボンニュートラルとは #1

2022-01-17

~誰が、いつまでに、何をしなくてはならないのか~

1. はじめに

菅前総理が2020年10月の臨時国会で「2050年カーボンニュートラル宣言」を行って以来、マスコミや種々のメディアを通じ「カーボンニュートラル」という言葉を頻繁に聞くようになってきました。

2021年10月31日~11月12日にイギリスのグラスゴーで開催されたCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)においても、多くの国や地域が2050年までのカーボンニュートラル達成を宣言しています。

カーボンニュートラルとは「二酸化炭素の排出量を減らすこと」だろうということは何となく想像できると思いますが、一般的には正しく説明できる人は多くはないと思います。

筆者も「地球温暖化防止コミュニケーター」というタイトルを持っていますが、「正しく説明する」となると頭を整理する必要がありますので、この機会に資料を整理し「カーボンニュートラル」とは何か、「誰が、いつまでに、何をしなくてはならないのか」「経済的な影響はないのか」「罰則や規制はあるのか」など、カーボンニュートラルと関連事項について2回に分けて解説したいと思います。

2. カーボンニュートラルとは

(以下、経済産業省、資源エネルギー庁、環境省など公的機関の資料を参照して説明します)

環境省によると、「カーボンニュートラル」は、「温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを意味します」と定義され、「『排出量を全体としてゼロ』というのは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの『排出量』※から、植林、森林管理などによる『吸収量』※を差し引いて、合計を実質的にゼロにすることを意味しています」と説明されています。
※印は「人為的」。

https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/about/img/img-summary@2x.png?211018
図1 カーボンニュートラルのイメージ
(出典:環境省)

<筆者捕捉>

  • 温室効果ガスは人為起源以外に、火山活動、山火事、生物の代謝・腐敗など自然現象による非人為起源があります。
  • カーボンニュートラルでは非人為起源の温室効果ガスは対象としません。
  • 我が国における人為起源温室効果ガスの約85%は石炭、石油、天然ガスなどのエネルギー消費によって発生しています。
  • 非エネルギー起源温室効果ガスの主な発生源は「工業プロセスにおける化学反応」「廃棄物の焼却」「焼き畑農業」「冷媒のフロンの流出」などがあります。
  • 我が国のカーボンニュートラル宣言は、2013年度を基準に2030年に46%削減、2050年度に「人為的な温室効果ガス排出量から吸収・除去・貯留量を差し引いた量を実質ゼロとする」となっています。

 


図2 カーボンニュートラル詳細イメージ(筆者作成)

 

3. 温室効果ガスとは

(気象庁、東京都環境局資料などから作成)

太陽からのエネルギーは、地球の表面に達し、地表を暖めます。暖められた地表面からは太陽の熱(赤外線)が放出され、再び宇宙に帰っていきますが、そのうちの一部が、地球のまわりを取り囲む「温室効果ガス」によって吸収され、地球を暖めます。温室効果ガスには水蒸気、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンなどがあります。

温室効果ガスが増えると、地表面からの太陽の熱(赤外線)が放出されにくく、地球に熱がこもった状態になってしまいます。

人為起源の温室効果ガスの総排出量に占めるガスの種類別の割合(2010年の二酸化炭素換算量での数値:IPCC第5次評価報告書より作図)
図3 人為起源の温室効果ガスの総排出量に占めるガスの種類別の割合
(出典:気象庁/IPCC第5次報告書)
注) 温室効果ガスとして最も影響の大きい気体は水蒸気ですが、人為的に制御できないこと、
気温の影響で濃度が変化することにより、カーボンニュートラルの目標からは除外されます。

 

4. 我が国の温室効果ガス排出量の内訳

(出典:資源エネルギー庁)
我が国で排出されている現状の温室効果ガスについて、内訳を以下に示します。

日本のGHG排出量(2018)12.4億トンの内訳を円グラフで表しています。そのうちエネルギー起源CO2の割合は85%です。
図4 日本の温室効果ガス排出量
(出典:資源エネルギー庁/国立環境研究所)

図4より化石燃料を燃やして発電された電気を使う、あるいは化石燃料を直接燃焼させて熱を得たり、
動力に変換したりするなどエネルギーを起源として排出される二酸化炭素が全体の85%を占めていることが判ります。


図5 我が国の分野別温室効果ガス排出量
(出典:資源エネルギー庁/国立環境研究所)

注) 図5の「%表示」は筆者が追加。図5からは商業発電による電力部門から36.3%、産業部門の生産活動から24.2%で、全体の60.5%を占めることがわかります。その他、人やモノを運ぶ輸送部門が16.1%で比重が多いことがわかります。

 

5. カーボンニュートラルに向けての現状

パリ協定においては、2050年近くに温暖効果ガスの排出量と吸収・除去量を差し引きゼロにするカーボンニュートラルを達成して、世界の気温上昇を産業革命の起こった1900年に比べて1.5℃以下、できれば2.0℃以下に抑えることを目標としています(2021年のCOP26では、目標を1.5℃必達と野心的に引き上げています)。
では、どの国が2050年カーボンニュートラルを宣言しているのかを見てみましょう。

2050年までのカーボンニュートラルを表明した124カ国・1地域を世界地図上で示しています。
図6 2050年までにカーボンニュートラルを宣言している国
(出典:経済産業省/国連)

COP26開催時点での資料が出ていませんので、2020年1月20日時点での2050カーボンニュートラルを宣言している国と地域を図6に示します。これによると、国連加盟国(197ヶ国・地域)のうち124ヶ国・1地域が宣言を行っています。これらの国の、世界全体のCO2排出量に占める割合は37.7%となります(エネルギー起源CO2のみ、2017年実績)。さらに2060年にカーボンニュートラルを宣言している中国を加えると全体の約2/3の排出量となります。

しかし、中東などの産油国や、ロシア、オーストラリアなど石炭などの産出国は明言を避けています。

 

6. 企業におけるカーボンニュートラル宣言・活動

パリ協定における各国の目標はあくまでも努力目標です。達成できなかった場合にも罰則がある訳ではありません。それにも関わらず、各国が競ってカーボンニュートラルに向けて努力しているのは、世界の異常気象の発生頻度が高くなり、それによる被害を実感しはじめ、国家として責任を果たし、国際的な地位向上を目指すこと以外にもいくつかの狙いがありますが、これは次回に述べたいと思います。

企業においても、2050年のカーボンニュートラルを宣言する企業が増えてきています。これは、グローバルサプライチェーンの中で自社のブランド力を上げる目的と同時に、カーボンニュートラルに前向きでない企業と取引を行うことは自社のブランド力を下げることを意味するため、活動を活発化させていると言えます。
また別の機会に述べたいと思いますが、将来予想される気候変動に対する脅威と機会を的確に予測し対策を立てることができない企業には、投資家や金融機関、取引先が背を向けることが危惧されるとも言えます。

 

7. まとめ

(1)「カーボンニュートラル」とは「温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること」を意味する。より具体的に言うと『排出量を全体としてゼロ』というのは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」 から、植林、森林管理などによる「吸収量」を差し引いて、合計を実質的にゼロにすること。ただし、非人為的なものは除く。
(2)温室効果ガスは人為起源以外に、火山活動、山火事、生物の腐敗など自然現象による非人為起源があるが、カーボンニュートラルでは非人為起源の温室効果ガスはコントロールできないので対象としない。
(3)我が国における人為起源温室効果ガスの約85%は、石炭、石油、天然ガスなどのエネルギー消費によって発生。
(4)非エネルギー起源温室効果ガスの主な発生源は「工業プロセスにおける化学反応」「廃棄物の焼却」「焼き畑農業」「冷媒のフロンの流出」などがある。
(5)我が国のカーボンニュートラル宣言は2013年度を基準に、2030年に46%削減、2050年度に「人為的な温室効果ガス排出量から吸収・除去・貯留量を差し引いた量を実質ゼロとする」である。
(6)温室効果ガスは二酸化炭素のほか、一酸化二窒素、メタン及び水蒸気がある。最も温室効果が高いのは水蒸気であるが気温の影響で増減するので対象としない。
(7)我が国の温室効果ガスは商業発電による電力部門から36.3%、産業部門の生産活動から24.2%で、全体の60.5%を占める。その他、人やモノを運ぶ輸送部門が16.1%、この3部門で全体の76.6%を占める。
(8)国連気象変動枠組み条約締結国197ヶ国・地域中125ヶ国が2050年カーボンニュートラルに賛同しているが、これらの国・地域のCO2排出量の世界全体に占める割合は37.7%に留まる(エネルギー起源CO2のみ、2017年実績)。これに2060年にカーボンニュートラルを宣言している排出量世界第1位の中国を加えると、2/3に達する。
(9)産油国の、中東諸国や石炭産出国のオーストラリア、ロシアなどはカーボンニュートラル達成時期を明確にしていない(2020年1月時点)。
(10)カーボンニュートラルを目指すパリ協定には義務や罰則は規定されておらず、各国の自主性によるものであり努力目標である。
(11)それにも関わらず各国政府や企業などが、足並みを揃えてカーボンニュートラルを目指すのは、国や企業の信頼性や価値の向上につながる問題であり、カーボンニュートラルに背を向ける国や企業は国際的なサプライチェーンからパージされる危険性があるからである。
(12)カーボンニュートラルに対して「努力している振り」だけ終わらないことを願いたい。

引用・参考資料

  • 「カーボンニュートラル」って何ですか?(前編)~いつ、誰が実現するの? (資源エネルギー庁/経済産業省、2021年2月16日)
  • 「カーボンニュートラル」って何ですか?(後編)~なぜ日本は実現を目指しているの? (資源エネルギー庁/経済産業省、2021年3月16日)
  • 2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略 (経済産業省、2021年6月18日)
  • カーボンニュートラルに向けた産業政策“グリーン成長戦略”とは? (資源エネルギー庁/経済産業省、2021年5月20日)
  • カーボンニュートラルとは (環境省脱炭素ポータル)
  • 温室効果ガスの種類 (気象庁)
  • 地球温暖化ってなに? (東京都環境局)
  • 2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略~「経済と環境の好循環」につなげるための産業政策~ (日本バルブ工業会、2021年4月19日)

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