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home>環境について>環境関連情報>化学物質規制・管理>RoHS指令における銅合金中の鉛含有量の適用除外

RoHS指令における銅合金中の鉛含有量の適用除外

2022-02-14

~2026年7月21日まで延長の見通し~

1. はじめに

RoHS指令の含有鉛規制に関する9件の適用除外延長申請に対して、EU委員会から委託を受けて協議を行っていたコンサルタントOeko-Institut e.V. が、2022年1月13日付けで協議に関する「最終報告書」を自社ウェブサイト、及び、EU CIRCABCのウェブサイトで公開しました

2022年1月13日付けOeko-Institut e.VのRoHS EvaluationsのNewsにおける発表は以下のとおりです。

「指令2011/65 / EU(パック22)の附属書IIIに関する9つ(6(a)、6(a)-I、6(b)、6(b)-I、6(b)-II、6(c)、7(a)、7(c)-Iおよび7(c)-II)の適用除外更新申請要求を評価するための調査」に関する最終報告書が発行されました。
レポートはここからダウンロードできます。
このレポートは、EU CIRCABC Webサイトでも公開されています。[カテゴリ]>[欧州委員会]>[環境]>[[RoHS評価]の左上にある[ライブラリ]>[レポート]をクリックします。

最終報告書は全235ページに渡っていますので、今回は当工業会にとって関心のある「6(c) 重量で最大4%の鉛を含む銅合金」を中心に、最終報告書の内容について概要をお伝えしたいと思います。

2. 今回の附属書III記載の9つの適用除外についての協議結果

概要は下表のとおりです。

表1 附属書IIIに関する9件の適用除外申請の協議結果
~更新のために要求された適用除外の概要、関連する推奨事項、および有効期限~
(出典: Oeko-Institut e.V、2022年1月13日)

Ex. Req. No. 要求された適用除外の文言(Requested exemption wording) 申請者(Applicant/s) 勧告(Recommendation) 有効期限と範囲(Expiry date & scope)
附属書III
6(a) , 6(a)-I
「機械加工用の鋼および最大0.35重量%の鉛を含む亜鉛メッキ鋼の合金元素としての鉛。」 と
「最大0.35重量%の鉛を含む機械加工用鋼および最大0.2重量%の鉛を含むバッチ溶融亜鉛めっき鋼部品の合金元素としての鉛」
・RÖHM GmbH;
・The Umbrella Project
6(a):最大0.35重量%の鉛を含む機械加工用鋼および最大0.35重量%の鉛を含む亜鉛メッキ鋼の合金元素としての鉛 — 2023年7月21日カテゴリ8のinvitro診断用医療機器。
— 2024年7月21日、カテゴリ9の産業用監視および制御機器、
6(a)-I:最大0.35重量%の鉛を含む機械加工用鋼の合金元素としての鉛 すべてのカテゴリで2024年7月21日に有効期限が切れます
6(a)-II:最大0.2重量%の鉛を含むバッチ溶融亜鉛めっき鋼部品の合金元素としての鉛 すべてのカテゴリで2026年7月21日に有効期限が切れます
附属書III
6(b), 6(b)-I
「最大0.4重量%の鉛を含むアルミニウムの合金元素としての鉛」および「鉛含有アルミニウムスクラップのリサイクルに由来する場合、最大0.4重量%の鉛を含むアルミニウムの合金元素としての鉛」 ・European Aluminium;
・The Umbrella Project
6(b)-I:鉛含有アルミニウムスクラップのリサイクルに由来する場合、最大0.4重量%の鉛を含むアルミニウムの合金元素としての鉛 すべてのカテゴリの決定後12か月で有効期限が切れます
6(b)-III:鉛含有アルミニウムスクラップのリサイクルに由来する場合、重量で最大0.3%の鉛を含むアルミニウム鋳造合金の合金元素としての鉛 すべてのカテゴリで2026年7月21日に有効期限が切れます
附属書III
6(b)-II
「最大0.4重量%の鉛含有量の機械加工用アルミニウムの合金元素としての鉛」 ・The Umbrella
Project
6(b)-II:最大0.4重量%の鉛含有量の機械加工用アルミニウムの合金元素としての鉛。 すべてのカテゴリの決定から18か月後に有効期限が切れます
6(b)-IV:カテゴリ1 EEE(大型家電製品)に適用されるガスバルブの鉛含有量が最大0.4重量%の機械加工用アルミニウムの合金元素としての鉛 2024年12月31日に有効期限が切れます
附属書III
6(c)
「最大4重量%の鉛を含む銅合金」 ・Bourns Inc.;
・The Umbrella Project
6(c):最大4重量%の鉛を含む銅合金 すべてのカテゴリで2026年7月21日に有効期限が切れます
附属書III
7(a)
「高融点タイプのはんだ(つまり、85重量%以上の鉛を含む鉛ベースの合金)の鉛」 ・Bourns Inc.;
・The Umbrella
Project
高融点タイプのはんだ中の鉛(すなわち、85重量%以上の鉛を含む鉛ベースの合金)(適用除外の範囲内のものを除く24) この附属書のポイント24でカバーされるアプリケーションを除くすべてのカテゴリについて、2024年7月21日に失効します。
以下の用途に使用される場合の高融点タイプのはんだ(すなわち、85重量%以上の鉛を含む鉛ベースの合金)の鉛(適用除外24の範囲内のものを除く):
I)定常状態または過渡/インパルス電流が0.1 A以上、またはブロッキング電圧が10 Vを超える、またはダイのエッジサイズが0.3 mm x 0.3 mmを超える、半導体アセンブリ内のダイまたは他のコンポーネントを取り付けるための内部相互接続用
II)硬化/焼結ダイアタッチ材料の熱伝導率が> 35W /(m * K)であり、硬化/ 焼結ダイアタッチ材料は> 4.7MS / mであり、固相線溶融温度は260°Cを超えている必要があります.
III)コンポーネントを製造するための第1レベルのはんだ接合(内部または一体接続-内部および外部を意味する)で、その後の電子コンポーネントのサブアセンブリ(つまり、モジュールまたはサブ回路基板または基板またはポイントツーポイントはんだ付け)への二次はんだ付けはんだは第1レベルのはんだをリフローしません。このアイテムには、ダイアタッチアプリケーションとハーメチックシーリングは含まれません
IV)コンポーネントをプリント回路基板またはリードフレームに取り付けるための第2レベルのはんだ接合:
1.セラミックボールグリッドアレイ(BGA)を取り付けるためのはんだボール
2.高温プラスチックオーバーモールディング(> 220°C)V)で、以下の間の気密シール材として:
1.セラミックパッケージまたはプラグと金属ケース、
2.コンポーネントの終端と内部サブパートVI)赤外線加熱用の白熱リフレクターランプまたは高輝度放電ランプまたはオーブンランプのランプコンポーネント間の電気接続を確立するためのVII)ピーク動作温度が200°Cを超えるオーディオトランスデューサーの場合
この附属書のポイント24でカバーされるアプリケーションを除くすべてのカテゴリに適用され、2026年7月21日に有効期限が切れます。
附属書III
7(c)-I
「ガラスに鉛を含む電気および電子部品、またはコンデンサに誘電体セラミック以外のセラミックを含む。 圧電デバイス、またはガラスまたはセラミックマトリックスコンパウンド内」 ・COCIR; SCHOTT AG;
・Bourns Inc.;
・Photonis Scientific, Inc.;
・Optical Fiber Packaging Ltd;
・The Umbrella Project
7(c)-I:コンデンサに誘電体セラミック以外のガラスまたはセラミックに鉛を含む電気および電子部品。 圧電デバイス、またはガラスまたはセラミックマトリックスコンパウンド すべてのカテゴリで2024年7月21日に有効期限が切れます
7(c)-V:次の機能を果たすガラスまたはガラスマトリックス化合物に鉛を含む電気および電子部品: すべてのカテゴリで2026年7月21日に有効期限が切れます
7(c)-VI:次の機能を果たすセラミックに鉛を含む電気および電子部品(この付属書の項目7(c)-II、7(c)-III、および7(c)-IVの対象となる項目を除く) )::
1)圧電チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)セラミック
2)正の温度係数(PTC)を持つセラミックを提供する
すべてのカテゴリで2026年7月21日に有効期限が切れます
附属書III
7(c)-II
「定格電圧が125VACまたは250VDC以上のコンデンサの誘電体セラミックをリードする」 ・The Umbrella Project 7(c)-II:定格電圧が125 VACまたは250VDC以上のコンデンサの誘電体セラミックの鉛 ポイント7(c)-Iおよび7(c)-IVの対象となるアプリケーションには適用されません
この附属書の。 2026年7月21日またはすべてのカテゴリで有効期限が切れます

参考) 9件の適用除外申請すべてに「申請者」となっている The Umbrella Project は、世界の48の会社/事業組織/事業者団体(工業会)が連名で構成。詳細は2021年1月12日付け本コラム「RoHS2指令における適用除外協議情報(速報)~銅合金中の鉛含有量に関する協議状況~」を参照ください。

3. 附属書III 6(c)「最大4重量%の鉛を含む銅合金」の協議結果(最終報告書P96~109)

以下の章番号は、最終報告書中の番号です。

1. 概要

1-1.  適用除外の延長申請者

(1) Bourns Inc.
自動車用電子部品、回路保護、磁気および抵抗製品、センサーおよび制御装置のグローバルメーカー

(2) The Umbrella Project
世界の48の会社/事業組織/事業者団体(工業会)が連名で構成

1-2. 具体的な対象銅合金例

(1) 鉛真鍮(銅-亜鉛-鉛合金;標準の鉛含有量3.3%)

(2) 鉛青銅(銅-スズ-鉛合金)

(3) 有鉛洋白(銅-ニッケル-亜鉛-鉛合金)

(4) 有鉛銅ベリリウム(銅-ベリリウム-鉛合金)

1-3. 適用除外延長に反対する意見者

(1) 三菱マテリアル(株)

(2) スウェーデン化学庁

(3) ノルウェー環境庁

2. 適用除外延長申請理由

2-1. 鉛含有の必要性

鉛は切削加工時に潤滑剤として重要
切削工具の摩耗損傷、切削屑排出難、特殊工具必要、びびり、バリ、エッジの発生、材料の亀裂防止、被削性 向上など

2-1-1. 機械特性

耐食性を高め、応力緩和挙動または機械的変形に影響を与える。弛緩、腐食、潤滑性において代替品では対応できない。

2-1-2. 電気特性

エコブラスは有鉛真鍮よりも電気伝導率と熱伝導率が低い。

2-1-3. 経済性

切削屑などのリサイクルルートは決まっているが、鉛低含有銅合金は別途のリサイクルルートを作る必要があり経済性が悪い。
鉛低含有銅合金用の特殊工具、加工機械・設備などの新規投資は中小企業には困難。

2-1-4. 他の指令との整合性

廃自動車指令(ELV)2000/53 / EC(附属書IIに適用除外3として記載)には、「最大4重量%の鉛を含む銅合金」 という同じ表現で対応する適用除外申請が認められた。

2-1-5. その他

The Umbrella Projectのメンバーとしてスイス時計協会は一般的な加工では鉛フリー合金は加工が難しく、導電率も悪い。またムーブメントの耐久性で代替困難。その他、メンバーもマイクロサイズの加工公差、摺動性など個々の技術問題を主張。

3. 適用除外延長反対理由

3-1. 三菱マテリアルの主張(低鉛銅合金「エコブラス」で代替が可能)

(1) エコブラスはC36000と同等の機械加工性と生産性を備えている。

(2) 加工条件にもよるが、C36000製の部品と同等の表面品質と寸法精度を提供する。

(3) C36000よりも優れた表面粗さを提供する。

(4) 0.4〜10gの15個の小さな部品のテスト加工に関する情報を提供。旋削、穴あけ、ねじ切り、ローレット加工、および溝入れを行い、工具にわずかな損傷しかな

かったと結論。

(5) 電気伝導率改善にはエコブラスよりも導電率が高く、電気・電子部品に適用できる「グロブラス」も開発した。

3-2. スウェーデン化学庁、ノルウェー環境庁

鉛は「RACH規則における制限物質エントリNo.63」の対応するレベルに適合させる必要がある。
適用除外の対象や範囲を絞るべき。
※適用除外延長申請者と延長反対者の議論の経過やコンサルの意見などの協議経過は省略しますので、必要に応じて「最終報告書」の原文で確認してください。

4. RoHS指令における適用除外を正当化できる要件

RoHS指令第5条(1)(a)は、以下の基準の少なくとも1つが満たされた場合に適用除外を正当化できると規定しています。

(1) 設計変更または附属書IIに記載されている材料または物質を必要としない材料およびコンポーネントによるそれらの除去または置換は、科学的または技術的に実行不可能である。

(2) 代替品の信頼性は保証されていない。

(3) 代替によって引き起こされる環境、健康、および消費者の安全への悪影響の合計が、環境、健康、および消費者の安全への悪影響の合計を上回る可能性がある。

5. 結論

(1) 少なくとも一部のアプリケーションに使用できる代替品が利用可能である。

(2) 代替品(Ecobrassなど)を使用するには、機械加工プロセスを調整する必要がある。

(3) Ecobrassへの置換には、現在、特定のアプリケーションのみへの適用が可能と理解される。

(4) 電気的機能を備えた部品に関しては、鉛フリー銅合金(高亜鉛合金)が、単純な形状および伝達力を備えた部品に適用可能である。またグロブラスの試験をする必要がある。

(5) 代替材料を使用した場合に経済的な問題があることを理解。

(6) 電気電子製品において鉛含有銅合金は非常に広範囲な用途があり、今回の協議では代替品の適用範囲を絞り込む事が出来なかった。

(7) ELV(廃自動車)指令との整合性は考慮する必要がある。

6. 勧告

Exemption formulation(適用除外の定式):「最大4重量%の鉛を含む銅合金」
Duration(期間):すべてのカテゴリで2026年7月21日に有効期限が切れます
ただし、REACH規則の附属書XVII(制限物質)のエントリNo.63(鉛)を念頭に置いて、予防的な理由から、適用除外の文言に次のフレーズを追加することを勧告する。

(1) 「子供が口に入れる可能性のある物品」または「物品の接触可能な部分」には適用されないものとする。

(2) 一辺の長さが5cm未満の場合、またはそのサイズの取り外し可能または突出部分がある場合。
ただし、コーティングされているかどうかに関係なく、接触可能なコンポーネント/パーツからの鉛の放出速度が0を超えないことが証明できる場合を除く。

(3) 1時間あたり0.5μg/ cm2(0.05μg/ g / hに相当)、およびコーティングされた物品の場合、コーティングは、通常の少なくとも2年間、または 成形品の使用において合理的に予見可能な条件がある場合。

(4) この追加を適用除外の脚注として追加する。

 

4. まとめ

(1)RoHS指令における含有鉛に関する9件の適用除外の延長申請に対して、EU委員会から委託を受けて協議を行っていたコンサルOeko-Institut e.V.が2022年1月13日付けで協議に関する「最終報告書」を自社のウェブサイト及びEU CIRCABC のウェブサイトで公開した。
(2)9件の適用除外延長申請に関する協議結果は、表1に示した。
(3)有効期限が異なるが、9件すべてで延長を認める勧告判断が示された。
(4)「6(c) 重量で最大4%の鉛を含む銅合金」については、カテゴリに関係なく、2026年7月21日までの適用除外延長を認める勧告がなされた。
(5)延長が認められた要因としては「世界の48の会社/事業組織/事業者団体(工業会)が連名で構成した」”The Umbrella Project”が一致して動いたこと、及び先に適用除外延長が認められたELV(廃自動車)指令との整合性を重視した点が決め手になったと思われる。
(6)ただし、スウェーデン化学庁、ノルウェー環境庁が主張したREACH規則の附属書XVII(制限物質)のエントリ63(鉛)念頭に脚注を付すものとした。
(7)本最終報告書は公表前にEU委員会に対してドラフトを提示し承認を得ているものであり、覆される可能性は少ないと思われるが官報発効により確定し、各国の国内法に展開され最終確定される。

引用・参考資料

  • RoHS Evaluations News (Oeko-Institut e.V.、2022年1月13日)
  • RoHS Pack22 Final Reports (Oeko-Institut e.V,、2021年12月20日)
  • EU RoHS指令の真鍮材中の鉛の除外の期限の延長はあるでしょうか (J-Net21、2021年7月7日)
  • RoHS 2指令における鉛に関する適用除外について~EU委員会がEU官報にて公示~ (日本バルブ工業会、2018年7月17日)
  • RoHS2指令における適用除外協議情報(速報)~銅合金中の鉛含有量に関する協議状況~ (日本バルブ工業会、2021年1月12日)

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