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home>環境について>環境関連情報>化学物質規制・管理>シップ・リサイクル条約

シップ・リサイクル条約

2019-05-16

~対応国内法が施行~

はじめに

国交省は2019年1月18日付のプレスリリースで、シップ・リサイクル条約に対応するための国内法(船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律、2018年6月20日公布)の一部の施行期日を2019年4月1日とする政令が閣議決定されたことを発表しました。

今回は、このシップ・リサイクル条約について「おさらい」をするとともに、この条約でいう有害物質規制について解説したいと思います。

シップ・リサイクル条約採択の経緯(国土交通省海事局、日本海事協会などの資料より)

老朽化した船舶の解体は、過去には我国でも行われていましたが、1970年代から韓国や台湾が参入するとコスト面で競争力を失い、我国ではほとんど行われなくなりました。1980年代には中国が新規参入、1990年代に入ると、よりコストが安い途上国のインド、パキスタン、バングラデシュといった国々が主役を務めるようになりました。しかし、後発のこれらアジアの国々では、コスト面から解体に従事する労働者の安全や環境対策が疎かにされており、過去に多数の死傷事故が発生したため、国際的に活動する人権団体や環境団体が海運国や造船国の責任を指摘するようになりました。

こういった船舶解体・再資源化(シップ・リサイクル)に関する問題は国際海事機関(IMO)を始め、国際労働機関(ILO)やバーゼル条約締約国会議などの国際機関で取り上げられ、それぞれ任意のガイドラインを作成するなど取り組みが進められましたが、2005年末の第24 回IMO 総会において新規条約の策定作業の開始が決議されました。

日本は世界有数の海運・造船国としての自負からこの起草作業に当初より深く関与しており、2008年10 月の第58回海洋環境保護委員会(MEPC58)において条約案は承認され、2009年5月15日に香港において「2009年の船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約(仮称)」(通称:シップ・リサイクル条約)として採択されました。

シップ・リサイクル条約の概要

シップ・リサイクル条約の目的は、廃船舶解体に当たって船舶を構成する部品に含まれる有害化学物質の飛散からの「解体に従事する労働者の安全衛生の確保」及び「環境汚染の防止」にあります。

従って、この目的を達成する為にシップ・リサイクル条約の発効後は
・500国際トン以上の全ての船舶には「船舶に存在する有害物質等の概算量と場所を記載した一覧表(インベントリ※)」の作成及び維持管理が義務付けられます。
・所管官庁により承認された船舶リサイクル施設でなければ船舶を解体・リサイクルすることができなくなります。

※インベントリとは(日本海事協会資料より)

インベントリとは、船上に存在する有害物質、廃棄物、貯蔵物の位置と概算量を記載した一覧表です。
下記表の通り、インベントリ第1部を建造時に、第2部及び第3部を船舶のリサイクル時に作成する必要があります。ただし、条約発効前に建造契約が交わされた船舶(現存船)についてはインベントリ第1部を条約発効後5年以内に作成すれば良いことになっています。

船舶リサイクル施設では、このインベントリを参照し、労働者の安全衛生の確保及び環境汚染の防止に配慮したリサイクルが実施されることになります。

表1 インベントリの構成①(環境省資料より)

 

第1部

第2部

第3部

船舶の構造及び機器に含まれる有害物質

運航中に発生する廃棄物

貯蔵物

作成時期

建造時に作成 *現存船は発効後5年以内

リサイクルの直前までに完成

記載する物質/物品

表A:禁止制限4物質
・石綿(アスベスト)
・ポリ塩化ビフェニル(PCB)
・オゾン層破壊物質
・防汚化合物及び防汚方法(トリブチル錫などの有機錫)

表C:潜在的に有害な物質を含む物品
ゴミ、ウエス、油類等

表C:潜在的に有害物質を含む物品及び表D:通常の民生品
家電製品など

表B:特定有害9物質
・カドミウム及びカドミウム化合物
・六価クロム及び六価クロム化合物
・鉛及び鉛化合物
・水銀及び水銀化合物
・ポリ臭化ビフェニル(PBB)
・ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)
・ポリ塩化ナフタレン
(塩素原子が四以上のもの)
・放射性物質
・塩化パラフィン(クロロアルカン)
※炭素数が10~13のもの及びその混合物

注1) 現存船には表Aの4物質を適用
注2) 新造船には表Aの4物質に表Bの9物質を加えた13物質を適用
注3) 現存船は「疑わしい場所をサンプリングし、有害物質の量を特定」
注4) 新造船については「舶用品、材料等について、機器メーカー、設備メーカーからの証明書(MD)を収集」。但し「新造船」とは「条約発効日以後に建造契約が結ばれる船舶」及び「条約発効日前に建造契約を結んだ船舶で、条約発効後30ヶ月以降に引き渡される船舶」
注5) トリブチル錫などの有機錫は船舶への貝類付着などを防ぐための塗料に多く含まれる物質です。


図1 解体中の廃船舶(出典:環境省)

インベントリ作成の実務

舶用バルブ、汎用バルブ、水栓などを新造船舶に艤装(艦船に種々の装置・設備を施し、航海や戦闘ができるような工事をすること)する場合には、船主よりインベントリが要求されます。

その場合、材料宣誓書、供給者適合宣言などが必要になりますが、日本海事協会のシップ・リサイクル条約に関するHPより種々のフォーマット及び解説書を無料で入手できます。

表2 インベントリの構成②(日本海事協会資料より)

記載するべき物質、物品
(条約の別表に定め)
インベントリ
第1部
船舶の構造及び危機に
含まれる有害物質
第2部
運航中に発生する
廃棄物
第3部
貯蔵物

表A

禁止または制限される物質(4物質)

記載必要

― ―

表B

特定化学物質(9物質)

記載必要
現存船は可能な限り

― ―

表C

潜在的に有害な品目
廃油、廃棄物など

―

記載必要 記載必要

表D

通常の民生品
家庭電化製品など

―

― 記載必要
作成時期 建造時
現存船は発効後5年以内
リサイクルまで

まとめ

(1)日本政府は「2019年3月27日付けで解撤ヤード(廃船の解体場)の安全環境改善を目的とする通称「シップ・リサイクル条約または香港条約」(2009年の船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約)を批准した」と発表しました。

(2)廃船の解体は、過去には我国においても行われていましたが、1970年代に韓国や台湾、1980年代には中国、1990年代以降はバングラデシュ、インド、パキスタンなどの途上国が主役と成りました。

(3)廃船の解体に当たっては、船舶を構成する部材や部品に含まれる有害化学物質の飛散によって、解体従事者の健康が損なわれる事故や、環境汚染などが国際的な問題となり、これを防止する事を目的としてシップ・リサイクル条約が採択されました。

(4)シップ・リサイクル条約の発効により、インベントリ(有害物質の量と場所)の作成及び維持と所管官庁により承認された船舶リサイクル施設でなければ船舶を解体・リサイクルすることができなくなります。

(5)有害物質は条約の別表に示され、本コラムの表1に示しました。

(6)従って、舶用バルブ以外の汎用バルブや水栓で有っても艤装(艦船に種々の装置・設備を施し、航海や戦闘ができるような工事をすること。)される場合には船主及び造船事業者よりインベントリが要求されると思われます。

(7)インベントリの書式や解説は日本海事協会のHPより無料で入手できます。

(8)シップ・リサイクル条約に対応する以下の国内法が2019年4月1日付けで発効しました。
・「船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律の一部の施行期日を定める政令」
・「船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律施行令」
・「領事官の行う船舶法等の事務に係る処分又はその不作為についての審査請求に関する政令の一部を改正する政令」

引用・参考資料

  • シップ・リサイクル条約の動向について (環境省、2018年2月14日)
  • 船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律」 (国土交通省、2019年1月18日)
  • 【供給者各位向】インベントリ並びにPrimeShip-GREEN/SRMのご紹介 (日本海事協会、2013年1月18日)
  • シップ・リサイクル条約 (日本海事協会)
  • シップ・リサイクル条約に関する取組み (国土交通省)
  • 船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律案 (参議院、2018年6月20日)
  • 船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律案要綱 (日本海事検定協会)

注意

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  • 本情報は不確実な情報が含まれる可能性がありますので、本情報を利用される場合は参考文献及び引用先の情報も合わせてご覧のうえ、自己の責任において判断をお願いします。
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