MENU
CLOSE
HOMEHOME
工業会情報
  • 工業会情報トップ
  • 当会の組織概要
  • 会長挨拶
  • 定款
  • 競争法コンプライアンス規程
  • 企業行動憲章
  • 役員名簿
  • 2016年度事業報告書等
  • 2017年度事業報告書等
会員企業紹介
  • 会員企業紹介トップ
  • 正会員企業紹介
  • 賛助会員企業紹介
  • 会員企業商標一覧
  • 会員の技術・製品情報
  • ISO認証取得会員
バルブメーカー検索 統計 会員向け

サイトマップ|English

一般社団法人 日本バルブ工業会 JAPAN VALVE MANUFACTURERS'ASSOCIATION

サイトマップ|English

  • HOME
  • 工業会情報
  • 会員企業紹介
  • バルブメーカー検索
  • 統計
  • 会員向け
home>環境について>環境関連情報>環境経営・戦略・政策>企業における「気候関連財務情報開示」の流れ

企業における「気候関連財務情報開示」の流れ

2019-07-17

~ESGの先、TCFD提言とは~

はじめに

2018年10月25日付け本コラム「最近の経営のキーワード『ESG経営』『「SDGs』とは~今、経営に求められている方向性~」において、機関投資家が企業に対して「投資対象としての適格性」を評価する上で、財務情報の他にESG(Environment:環境、Social:社会的責任、Governance:企業統治)評価を行う傾向が強くなってきていることを述べました。

このような状況において、財務省は「平成27年(2015年)のパリ協定の採択に伴い、気候変動を取り巻く情勢は大きく変化しています。投資・金融の分野では、ESG投資の拡大に伴って、ESG要素に関する企業の情報開示を求める投資家等の動きが広がっています。特に、G20財務大臣・中央銀行総裁会議の指示により金融安定理事会(FSB)が設置した「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言(以下「TCFD提言」と言う。)が2017年6月に公表されたことをきっかけに、気候変動に関する企業の取組について、投資家等からの情報開示の要請が高まっています」と述べ、ESGの中でも企業のE(環境)への取組み状況に対する投資家の関心は益々高まってきており、特に地球全体における最重要の環境課題と言える「気象変動に対する取組み」に関する情報開示が強く求められてきていると述べています。

そして2019年1月23日付けで経済産業省は、「2018年8月に、グリーンファイナンスと企業の情報開示の在り方に関する『TCFD研究会』を立ち上げ、TCFDが求める気候関連の情報開示について議論を行ってまいりましたが、本日、『気候関連財務情報開示に関するガイダンス(TCFDガイダンス)』を取りまとめましたので、公表します。また、経済産業省は、本日TCFDの趣旨に賛同の署名を行いました」と公表しました。

そして、2019年5月21日付けで経済産業省、金融庁、環境省合同の発表において「TFCDコンソーシアムが設立されます」と発表しました。

昨今、グリーンファイナンス、グリーンボンド、グリーンファンドなどの環境関連の金融用語が多く見られるようになってきたとともに、財務省や経済産業省、環境省などが企業の気象変動関連情報を関連付けていますので、今回はこの辺の状況・関連について述べてみたいと思います。

用語解説1) 環境投資(グリーンファイナンス、グリーンボンド、グリーンファンド)

経済産業省が「グリーンファイナンスと企業の情報開示の在り方」で用いているグリーンファイナンスについて、大和証券は「空気や水・土の汚染除去、温室効果ガス排出量削減、エネルギー効率改善、再生可能エネルギー事業への投資など、環境に良い効果を与える投資への資金提供を意味する広範囲の概念。2016年9月のG20杭州サミット後に発表された首脳声明(コミュニケ)で、グリーンファイナンス拡大の必要性が確認されました。環境問題解決に必要な資金は膨大で、各国政府の財政的制約から公的資金のみでは不足なのは明らかで、民間資金をいかに活用していくのかがポイントとされています」と解説しています。

似た用語にグリーンボンドとグリーンファンドがありますので、ついでに解説しておきます。

一般社団法人グリーンファイナンス推進機構は「『グリーンファンド』とは、環境省が所管する「地域低炭素投資促進ファンド事業」により設置された基金を活用した投資ファンドで、出資という形で地域において低炭素化プロジェクトを推進する事業者等を支援しています」と説明しており、環境省が企業などの事業者が行う環境対策を支援するための資金、もう一方のグリーンボンドとは「企業、地方公共団体等が、国内外のグリーンプロジェクトに要する資金を調達するために発行する債券」であり、「具体的には、①調達資金の使途がグリーンプロジェクトに限定され、②調達資金が確実に追跡管理され、③それらについて発行後のレポーティングを通じ透明性が確保された債券です。なお、「グリーンプロジェクト」とは、環境改善効果がある事業であり、環境面からのネガティブな効果(環境負荷)がその環境改善効果と比べ過大にならないと評価されるものになります」と説明しています。

即ち、グリーンファイナンスとは、企業などの事業体が環境対策や環境関連事業を行うための資金であり、金融機関や投資家、政府機関からの調達を意味するようです。

用語解説2) TCFD及びTCFD提言とは

TCFDとはTask Force on Climate-related Financial Disclosures(気候関連財務情報開示タスクフォース)のことで、主要国の中央銀行や金融規制当局で構成する金融安定理事会(FSB)が2015年に設置し、金融機関や企業などの代表者が集まり議論を行っている組織です。

TCFDの目的は、「企業の財務に影響のある気候関連情報の開示を推奨する」もので、「企業が気候変動のリスク・機会を認識し経営戦略に織り込むことは、ESG投融資を行う機関投資家・金融機関が重視」しており、TCFDの報告書において、その重要性に言及しています。

即ち、企業などの事業体が、自社の事業と気象変動の関連を分析し、機会とリスクに関する情報を投資家やステークホルダー、サプライチェーンに正しく開示することにより、急激な資産価値の減損を防止する対策を行っているか否かを明確にすることが重要としています。

TCFD最終報告書の概要(2017年6月公表)

【背景:Back ground】出典:経済産業省(TFCDガンダンスと今後の進め方より)

企業 投資家 金融システム  
矢印: 五方向: 既存枠組みによる  企業の気候変動の  提供情報が不十分  矢印: 五方向: 気候関連のリスク・機会と企業戦略・財務との関連付け、投融資・保険引受け判断への折り込みが不十分 矢印: 五方向: 資産価値の大幅な  急変が金融安定性の  リスクになる可能性  フローチャート: 代替処理: 投資家・金融セクターが、企業の気候関連のリスク・機会を適切に評価出来る様な、企業の任意情報開示  フレームワークが必要

 

【推奨開示項目:Recommendation】

 

 

 

 

 

 

【開示の原則:Principle for Effective Disclosures】
・以下の内容をメインストリームの財務報告(有価証券報告書等)の中で開示 1 関連性のある情報Relevant information
2 具体的で完全な情報 Specific and understandable
ガバナンス
Governance
気候関連リスク・機会についての組織のガバナンス 3 明快・バランスの取れた・分かり易い情報
Clear, balanced, and Understandable
戦略
Strategy
気候関連リスク・機会がもたらす事業・戦略、財務計画への実際の/潜在的影響
(2度シナリオ等に照らした分析を含む)
4 時系列的な一貫性 Consistent over time
5 セクター・産業・ポートフォリオ内での比較可能性
Comparable, verifiable, and objective
6 信頼性・立証可能性・客観性
Reliable, verifiable, and objective
リスク管理
Risk Management
気象関連リスクの識別・評価・管理方法 7 適時性 On a timely basis
 
指標と目標
Metrics & Target
気象関連リスク・機会を評価・管理する際の指標とその目標

金融安定理事会(FSB)は「パリ協定に基づく温室効果ガスの大幅な削減を目指すには、大胆なイノベーションと民間資本がしっかり回って行くことが必要であり、企業の気象変動対策への取組みがTFCD最終報告書に基づき、適切に開示されることで、投資家などが企業の積極的な取組に資金供給し、リターンを得て行く、環境と経済の好循環の実現を目指す」とこと必須であるとの認識からTFCD最終報告書に従い気象関連情報の開示を求めているものです。

TFCDガイダンス(経済産業省)

前述してきたように、投資家が長期的な投資判断にESG(特に気候変動)要素を重視する考えが進展し、2017年6月にTCFDが最終報告書を公表しました。

このような状況において経済産業省が策定した「TFCDガイダンス」は、TFCD最終報告書に解説を加えることで、企業がTFCDに基づく情報開示を支援するための指針と位置づけられます。

本ガイダンスは、まだ完全なものではなく、「できるところから開示を始めることが重要」で、今後改訂を重ねて行くものとしています。

このTFCDガイダンスは金融機関など国内外の投資家等と事業会社の経営者などにより構成されたTFCD研究会において金融機関の意見や開示事例、策定時の議論を基にした「TFCDの解説パート」と「業種別ガイダンスパート」より構成されています。

(1)解説パート

企業や金融機関のTFCD提言への疑問点を解消する事を目的とする
【解説する項目】
①情報開示の媒体の選択
・重要事項は有価証券報告書によるが、それ以外は統合報告書などでの開示でも可
②4テーマ(ガナバンス、戦略、リスク管理、指標・目標)について、それぞれ開設
・シナリオ分析の手法⇒IEA等の既存シナリオを紹介し、これを参照して分析する手法を紹介
・指標・目標の捉え方⇒これからの企業価値創造への結びつき方についてストーリー性のある開示を推奨
③異なるビジネスモデルを持つ企業の開示方法⇒各ビジネスの気候変動のインパクトに応じて開示
④ 中堅・中小企業におけるTFCD対応の進め方⇒世界の温暖化対策に貢献する企業はビジネスチャンスの積極的な開示を推奨

(2)業種別ガイダンス

気候変動のリスクや機会が異なる業種ごとの望ましい戦略の示し方や、推奨する開示ポイント・視点を解説
【開示推奨項目の例】
①自動車
・走行時の排出削減に繋がる車種の技術開発
②鉄鋼
・製造プロセスの効率(エネルギー原単位)向上に、向けた取組み
③化学
・環境貢献製品を通じた削減貢献量や研究開発の取組み
④電気電子
・排出削減に繋がるIoTソリューションや省エネ化に向けた開発
⑤エネルギー
・再エネや発電設備の高効率化・次世代化に向けた技術開発

まとめ

(1)本コラムの過去分において、世界の金融機関を始めとする機関投資家は、企業に対する投資の適格判断に従来の財務情報に加え、対象となる企業のESG(環境、、社会的責任、ガバナンス)に対する取組み姿勢を評価することが一般化してきていることを述べてきました。
(2)ESGの中でも環境問題、特に地球の存亡を左右すると言っても過言ではない温室効果ガス排出量増加による気候変動問題は、年々増加している異常気象に見られるように深刻な問題であり、各企業がこの問題に対してどのような対応を取っているのかが重要な関心事として急浮上してきています。
(3)このような状況において主要国の中央銀行や金融規制当局で構成する金融安定理事会(FSB)の基に置かれたTFCD(気候関連財務情報開示タスクフォース)が2017年6月に発表したTFCD最終報告書(TFCD提言)により企業の気象関連財務情報の開示が強く求められるようになって来ました。
(4)経済産業省は、環境省及び財務省と連携し、企業がTFCD提言に従い情報開示を行いやすくするためのガイダンスの発表及び2019年5月21日にはTFCDコンソーシアムが設立され、多くの金融機関や企業が参加するようです。
(5)昨今、企業には従来のコスト、納期、品質の他に多くの対応を迫られて来ていますが、TFCD提言対応も大きな課題といえますので、早めの理解と対応をお勧めしたいと思います。

引用・参考資料

  • TCFDガイダンスの策定とTCFDへの署名を行いました! (経済産業省、2018年12月25日)
  • TCFDコンソーシアムが設立されます (経済産業省/環境省/金融庁、2019年5月21日)
  • 気候変動に関連した情報開示の動向~TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)~ (経済産業省)
  • 「TCFDを活用した経営戦略立案のススメ~気候関連リスク・機会を織り込むシナリオ分析実践ガイド~」の発表について (環境省、2019年3月19日)
  • 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD) (環境省)
  • TCFDガイダンスの概要と今後の進め方 (経済産業省、2018年12月25日)
  • TCFDを活用した経営戦略立案のススメ~気候関連リスク・機会を織り込むシナリオ分析実践ガイド~ (環境省、2019年3月)
  • Task Force on Climate-related Financial Disclosures (TCFD:気候関連の財務開示に関するタスクフォース公式ページ)
  • グリーン・ファイナンスの最前線 (財務省)
  • 金融・証券用語解説グリーンファイナンス (大和証券)
  • 最近の経営のキーワード「ESG経営」「SDGs」とは~今、経営に求められている方向性~ (日本バルブ工業会、2018年10月25日)
  • グリーンファンドによる出資、グリーンボンドの発効支援 (一般社団法人グリーンファイナンス推進機構)

注意

  • 無断で本情報を二次使用すること及び転載することを禁じます。
  • 本情報は不確実な情報が含まれる可能性がありますので、本情報を利用される場合は参考文献及び引用先の情報も合わせてご覧のうえ、自己の責任において判断をお願いします。
  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

環境経営・戦略・政策(環境関連情報)

  • 2022
  • 2021
  • 2020
  • 2019
  • 2018
  • 2017
  • 2015
  • 2014
  • 2013
  • 2012
  • 2011
  • 2010
  • 2009
  • 2007
  • 2005
  • 2003
ページトップ

個人情報保護方針|特定個人情報の適正な取扱いに関する基本方針

一般社団法人日本バルブ工業会

〒105-0011 東京都港区芝公園3-5-8 機械振興会館510 アクセス地図  TEL: 03-3434-1811

Copyright © Japan Valve Manufacturers' Association. All rights reserved