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home>環境について>環境関連情報>環境経営・戦略・政策>企業経営の新たな軸足「SDGs」とは、その実践 #7

企業経営の新たな軸足「SDGs」とは、その実践 #7

2020-04-17

~環境省「持続可能な開発目標(SDGs)活用ガイド」(第2版)発行~

はじめに

環境省は2020年3月10日付けで、「持続可能な開発目標(SDGs)に係る取組の進展に寄与することなどを目的として、企業がSDGs達成に向けて取り組む際の手引となるよう『持続可能な開発目標(SDGs)の活用ガイド』を平成30年(2018年)6月に作成しています。この度、その第2版を発行しましたので、お知らせします」と発表しました。

国連が定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」について、世界的な認知度は75%以上と言われています。日本では昨年で25%程度、2020年1月の各種調査によっても認知度は30%~40%と、先進国の中では最低と言われていますが、企業経営における関心はかなり高まってきていると思われます。

http://www.env.go.jp/policy/sdg_logo_ja_2.jpg

しかしながら、実際に企業がSDGsを企業経営に取り込もうとした場合に、「具体的にどんな目標を立て、どのように取り組めば良いか」は各社の事業形態(事業規模、事業の種類、事業分野、その他)や取扱製品などがそれぞれ異なるため、他業種の事例などを参考にしても、最初の1歩を踏み出す事がなかなか難しいと言えます。

今回環境省が公表した「持続可能な開発目標(SDGs)活用ガイド」(以下「SDGsガイド」と略)について、環境省は「今回の改正では、SDGsを取り巻く国内外の情勢の変化や進展を反映するとともに、第五次環境基本計画(平成30年4月閣議決定)で提唱した『地域循環共生圏(ローカルSDGs) 』 、『ESG地域金融』、などの関連情報をより詳細に記載しました。さらに第2版では、ケーススタディ事例を更新し、優良事例、参考となるガイドライン・ツール・各種支援制度などを新たに追加しています」と述べており、興味深いものだと思われますので、その概要についてお伝えしたいと思います。

※「SDGsとは何か」、「SDGsに企業が取組む意義」、「そのメリット」などについては、本コラムにおいて過去に説明していますので、ここでは主に「SDGsガイド」の中から「SDGsの進め方、取り組み方」について解説したいと思います。

「SDGsガイド」の特徴と構成

SDGsは大企業が取り組むよりも、むしろ中小企業が取組みやすい活動と言われ、実際に外務省主催の「ジャパンSDGsアワード参加企業」などを見ても、従業員数が数十人規模の企業や団体が取り組んでいる事例が多く見られます。

【SDGsガイドの特徴1】

環境省は、この「SDGsガイド」の対象を以下のとおり、「初級者」としています。
(1)今までSDGsに特段の取組みを行っていない。
(2)SDGsに関心を持ち、何か取組みを始めたい。
(3)特に、職員数や従業員数が少なく活動の範囲が中小規模の企業や団体。
(4)地域経済を支え、地域の活力の中心として活動する人達の目線で構成し、使いやすくした。

【SDGsガイドの特徴2】

環境省は17のターゲットのうち、環境保全に関係の深い「9つのターゲット」に重点を置いています。
(1)4(教育)
(2)6(水・衛生)
(3)7(エネルギー)
(4)11(都市)
(5)12(持続可能な生産と消費)
(6)13(気候変動)
(7)14(海洋)
(8)15(陸域生態系・生物多様性)
(9)17(実施手段・パートナーシップ)

【構成】本編と資料編

<本編>
(1)企業を取り巻く社会の変化やSDGsを巡る国内外の動き
(2)企業の持続可能性に関わる動き
(3)SDGsに取り組むための具体的な方法をケーススタディの事例や取組手順の紹介

<資料編>
SDGsに取り組むに当たり、活用しやすいガイドライン・ツール・各種支援制度、企業のSDGsに対する意識調査結果、企業の取組とSDGsの紐付け、取組事例の紹介なのまとめ。

取組み手順

SDGsを経営に取組むために重要と思われる事

(1)経営トップ自らが推進役となる、または強力なバックアップを行う
(2)推進チーム(事務局)の設置
(3)出来るだけ多くのメンバー、または、全員参加の活動にする
(4)取組み手順は、企業における種々の改善活動などと同ように取組み、PDCAサイクルで推進する

 

PDCAサイクルを用いたSDGs活動の取組み手順

事前準備
【取組の意思決定】

手順1:話し合いによる考え方の共有
1)自社の企業理念や行動計画を再確認し、将来ビジョンについて議論し、考えを共有
2)経営者(社長や役員層)に説明し、方向性の理解を得て意思決定
3)推進の主体(主務者とチーム)の決定(結成)⇒推進室などの設置
4)社内向けも説明資料作成、説明、普及、全員の巻き込み

・自社の企業理念や社是などの再確認を行い、SDGsに影響を与えている部分(正及び負)をピックアップ
・若手社員などにより2030年の自社のあるべき姿を議論し、有るべきゴールを共有する
・意見がまとまったら、経営層の承認を得る(役員会レベル)
・実際の推進チームまたはプロジェクトを編成し推進
・同じような業態の企業と情報交換や連携を行ってもよい

PLAN
【取組みの着手】
手順2:自社の活動内容の棚卸を行い、SDGsと紐付けて出来るか考える
1)自社の事業・活動の内容を整理する
2)取組みに対する社内の理解と協力を得る

・まずは、自社の過去や現在の改善活動などの全社取組みの棚卸を行い、SDGsとの関連(正と負の両面)を整理
・自社の特性の把握など分析を行う。若手社員を巻き込み、新たな気付きなど広い視野で分析
・今までに実施してきた社内の取組みや事業活動の中に「持続可能な事業活動」に関するものがあれば、SDGsの取組みに焼き直して目標を設定する
・全社員を巻き込みSDGsを「自分達の目標」として共用する
※各手順の詳細な手法やケーススタディは「SDGsガイド」の本編を参照してください。

DO
【具体的な取組の検討と実施】
手順3:何に取り組むかを検討し、取組みの目的、内容、ゴール、担当部署を決める⇒取組みの行動計画を作成し、社内での理解と協力を得る
1)取組みの動機と目的を明確にする
2)取組み方
3)資金調達について考える

・テーマは扱いやすく、効果が期待できる取組みを抽出する(活動に価値が見出せるかどうかが重要)
・SDGsは形式的な活動ではなく、自社のメリットとする活動とし社内の協力を得られるようにすることが重要

表1 SDGsの使い方と取組みの動機と目的(例) (出典:環境省SDGsガイド)

目的 動機 SDGsの使い方
コスト削減 燃料費や電気代の高騰 従業員の省エネ意識をSDGsの活用により改善する。活動や製造方法の改善などを行い、コストを削減する。
経営計画の策定 顧客の幅が狭く売上も縮小 SDGsで示された目標から2030年の世の中を想像し何が必要か従業員全員で考えてみる。
新製品・新サービスの開発 取引先からの要請 “持続可能性”を組み込んだ製品やサービスによる付加価値の付与
新規顧客の開拓 売上増 SDGsに則した調達基準を設定している企業などに営業する
事業パートナーの募集 新な事業を始めたい 異業種交流会やSDGsに関心の有る企業セミナーなどに参加しネットワークを構築する
従業員のスキルアップ 生産性を向上したい SDGs により仕事と社会や地球環境とのつながりを理解することで、モチベーションの向上や意識改革を狙う
就労環境の改善 働き方改革への対応 ゴール 5 (ジェンダー平等の実現) やゴール8 (働きがいも経済成長も) を参考に新しく制度や仕組を考える
女性の活躍 優秀な人材の確保 ゴール4(質の高い教育をみんなに)を参考に家庭や育児と仕事を両立できるような制度や仕組みを考え、女性を積極的に採用する
知名度の向上とブランディング 取引先や消費者からの信頼度を高めたい ・SDGs のアイコンを使って社会への貢献度や貢献内容をアピールする
・認証の取得や表彰にチャレンジするなど、外部評価を得ることで対外的にアピールする
・地域の子供達に学習機会を提供し、自社の取組みを題材にしてSDGsを説明する

・取組みの動機と目的が決まったら、スケジュール化する。あまり長期の計画でなくても可。
・最初はあまり欲張らずに取り組むターゲットを絞ってスタート
・自社の有する中心的な技術に関連するゴールや、現在すでに取り組んでいるCSR活動に関連するゴール、企業イメージと関連したゴールなどを設定する
・SDGsの取組みは大掛かりな投資や体制整備などが伴う大規模な活動の必要はなく、利用できる経営資源の範囲の身の丈に合った小規模のものから始める
・CSR活動の延長上で実施してもよい。
・SDGsの取組み方は、
①製品の作り方やサービスの提供の仕方の改善する
②製品やサービスそのものを改善する
※①は短期的な取組み、②は技術開発などを伴う長期的な取組み、これら短期・長期の取組みを混ぜるとよい。これらの活動はコスト削減につながる場合が多く、これらの改善や構造改革によって得られた資金を、次の付加価値創出につなげ、PDCAサイクルを回す活動と思えます。

CHECK
【取組状況の確認
と評価】
手順4:取組みを実施し、その結果を評価する
1)取組み経過の記録
2)取組み結果の評価とレポート作成

・SDGs活動は社長など経営層も社員も積極的に巻き込んで取り組む
・取組みによる成果を検証するため、種々の資料・写真・データなどを必ず残して活動を進める
・SDGsと関連付ける以前から取り組んでいた事柄もできるだけ遡って経過を記録する
・取組み過程及び取組み後に記録した結果を用いて取組みレポートを作成する
・基本的にはCSR活動と同ように⇒宣言する(コミットメント)⇒実行する(PDCA)⇒成果を出す(価値創造)と3つのプロセスで推進
・日本の多くの企業のSDGsへの取組みはまだ「事業との紐づけ」の段階にある

ACTION
【取組みの見直し】
手順5:一連の取組みを整理し、外部への発信にも取り組んでみる⇒評価結果を受けて、次の取組みを展開する
1)外部への発信
2)次の取組みへの展開

・取組みの振り返りを行い、活動のアピールポイントを整理する
・ビジネスチャンスと繋がる発信方法を考える

評価結果を受けて、次の取組みを展開する

・SDGsの取組みが間接的・直接的に影響することを考える
・自社の活動とSDGsの関係を改めて考える
・PDCAサイクルで動かし、次の展開を考えてみる
・自社のCSR報告書や自社Webサイトでの発信だけでなく、環境省主催のステークホルダー・ミーティング、外務省主催のジャパンSDGsアワード等広く外部とのコミュニケーションを取ることも有用
・中小企業でも必ずしも取組みを自社内で完結せず、積極的に外部に発信することも大切
例)
・自社の他の事業所や他社へ取組みスキームを紹介する
・新製品発売の際にSDGsとの繋がりや取組みをアピールする
・イベントなどの展示にSDGsの取組みを加える
・営業用パンフレットなどにSDGsに関する活動レポートを掲載
・SDGsロゴの利用、環境配慮バルブ登録制度に基づくマークの利用など

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環境配慮バルブ登録制度のラベル

まとめ

(1)環境省は2020年3月10日付けで、 持続可能な開発目標(SDGs)に係る取組の進展に寄与することなどを目的として、企業がSDGs達成に向けて取り組む際の手引となるよう「持続可能な開発目標(SDGs)の活用ガイド第2版」を発表しました。
(2)この活用ガイドは、SDGsとは何か、企業が取り組むメリトなどの基礎から具体的に取り組む場合のイロハから他社のケーススタディや事例も含め、まだSDGsに取組んでいない事業者や今後取り組みたいと思っているが、まだ取組みを始めていない事業者向けの指南書的な構成になっています。
(3)SDGsへの取組みは特別のことを始めるというより、自社が現在ないしは過去に実施したコスト低減活動やCSR活動を見直すとともに、自社の事業特性、資源、技術などを棚卸し、SDGsとの紐付けを行い、PDCAサイクルを回しながら進める取組みと位置づけられます。
(4)「国連で採択された」ということから大企業が取り組むべき活動と言う認識があるかと思われますが、むしろ所帯が小さく経営者と従業員の直接コミュニケーションが取りやすい中小企業向けの活動といわれています。
(5)ただし、一般的な改善活動などとの違いは、「持続可能な開発」が根底にあり、「2030年をゴールに定めている」点が特徴で、2030年に事業体の中心になる若手を計画に巻き込み共感が得られる取組みにすることが重要と思えます。
(6)本活動ガイドは、かなり詳細な部分までの解説がありますので、ぜひ活用して頂きたいと思います。

引用・参考資料

  • すべての企業が持続的に発展するために「持続可能な開発目標(SDGs)活用ガイド」(第2版)の発行について (環境省、2020年3月10日)
  • 持続可能な開発目標(SDGs)活用ガイド「第2版」(概要版) (環境省、2020年3月10日)
  • 持続可能な開発目標(SDGs)活用ガイド「第2版」(本編) (環境省、2020年3月10日)
  • 持続可能な開発目標(SDGs)活用ガイド「第2版」(資料編) (環境省、2020年3月10日)
  • SDGs経営ガイド (経済産業省、2019年5月)
  • 「持続可能な開発目標(SDGs)活用ガイド」の発行について (環境省、2019年6月28日)
  • 持続可能な開発目標(SDGs)の推進 (環境省)
  • 企業経営の新たな軸足「SDGs」とは、その実践 #6~SDGs実践のためのガイドライン #4~ (日本バルブ工業会2019年6月17日)
  • 企業経営の新たな軸足「SDGs」とは、その実践 #5~SDGs実践のためのガイドライン #3~ (日本バルブ工業会、2019年5月15日)
  • 企業経営の新たな軸足「SDGs」とは、その実践 #4~SDGs実践のためのガイドライン #2~ (日本バルブ工業会、2019年4月22日)
  • 企業経営の新たな軸足「SDGs」とは、その実践 #3 ~SDGs実践のためのガイドライン #1~ (日本バルブ工業会、2019年3月19日)
  • 企業経営の新たな軸足「SDGs」とは、その実践 #2 ~SDGsをCSRに組込む意義~ (日本バルブ工業会、2019年2月18日)
  • 企業経営の新たな軸足「SDGs」とは、その実践 #1~SDGsを詳しく知る~ (日本バルブ工業会、2019年1月21日)

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