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home>環境について>環境関連情報>化学物質規制・管理>POPs条約(残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約)の動き

POPs条約(残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約)の動き

2022-03-17

~条約対象物質の追加について~

1. はじめに

2022年2月8日付けで「ストックホルム条約における検討委員会第17 回会合(POPRC17)の開催とその結果」について経済産業省と環境省が同時に報道発表を行いました。

ストックホルム条約は、バーゼル条約とロッテルダム条約とともに国連の有害化学物質を規制する条約であり、特にストックホルム条約は難分解性で生体蓄積性のあるPOPs(Persistent Organic Pollutants、残留性有機汚染物質)の製造や使用を制限する条約です。

ストックホルム条約については、本コラムでも何回か取り上げていますが、今回のPORC17の開催を機に、ストックホルム条約のおさらいとともに、今回テーブルに上がっている物質に関する情報の提供を行いたいと思います。

2. ストックホルム条約とは

正式には「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」と呼ばれていますが、通常POPs条約と略称が用いられていますので、本コラムでも以下「POPs条約」と記します。

POPs条約は比較的新しい条約で、環境省ホームページには、環境中での残留性が高いPCB、DDT、ダイオキシン等のPOPs(Persistent Organic Pollutants、残留性有機汚染物質)については一部の国々の取組のみでは地球環境汚染の防止には不十分であり、国際的に協調してPOPsの廃絶、削減等を行う必要から、2001年5月、『残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約』が採択されたと記されています。2018年12月現在、151ヶ国及び欧州連合(EU)が署名、我が国を含む181ヶ国及びEUが締結しています。

締約国は主に以下の義務を負います。

(1)製造・使用、輸出入の原則禁止(附属書A)
(2)製造・使用、輸出入の制限(附属書B)
(3)新規POPsの製造・使用防止のための措置
(4)非意図的生成物(附属書C)の排出の削減及び廃絶
(5)ストックパイル、廃棄物の適正処理(汚染土壌の適切な浄化を含む)
(6)PCB含有機器については、2025年までに使用の廃絶、2028年までに廃液、機器の処理(努力義務)
(7)適用除外(試験研究、使用中の製品、国別適用除外)


収載物質の詳細は経済産業省ホームページを参照。

3. 残留性有機汚染物質検討委員会第17 回会合(POPRC17)

残留性有機汚染物質検討委員会は条約の正式会議に先立ち、実務者レベルでの調整のために開催されます。
第17回会合は2022年1月24日(月)~28日(金)に新型コロナ感染防止のため、対面とオンラインのハイブリッド方式で開催され、以下の検討結果が報告されました。

表1 POPRC17で条約対象物質への追加が決議された物質

英名 1,1,1-Trichloro-2,2-bis(4-methoxyphenyl)ethane
和名 1,1,1-トリクロロ-2,2-ビス(4-メトキシフェニル)エタン
略称:メトキシクロル
CAS RN 72-43-5 ·
備考 【主な用途】殺虫剤
リスク管理に関する評価及びPOPs条約上の位置付け(製造・使用等の「廃絶」)について検討し、個別の適用除外なしで、廃絶対象物質(附属書A)に追加することにつき、COPに勧告することが決定されました。

 

表2 POPRC17で条約対象物質として検討された物質

1 英名 1,4:7,10-Dimethanodibenzo[a,e]cyclooctene,1,2,3,4,7,8,9,10,13,13,14,14-dodecachloro-1,4,4a,5,6,6a,7,10,10a,11,12,12a-dodecahydro-
和名 1,2,3,4,7,8,9,10,13,13,14,14-ドデカクロロ-1,4,4a,5,6,6a,7,10,10a,11,12,12a-ドデカヒドロ-1,4;7,10-ジメタノジベンゾ[1,e]シクロオクテン
略称:デクロランプラス
CAS RN 13560-89-9
用途
審議結果
【主な用途】塩素系難燃剤。
【REACH規則】2018年1月にRACH規則のSVHC候補物質.リスト収載
リスクプロファイル案を審議し、残留性、濃縮性、長距離移動性及び毒性等を検討した結果、デクロランプラスが重大な悪影響をもたらす恐れがあるとの結論に達し、次回会合(POPRC18)においてリスク管理に関する評価を検討する段階に進めることが決定されました。
2 英名 2-(2H-1,2,3-Benzotriazol-2-yl)-4,6-di-tert-pentylphenol
和名 (2-(3,5-ジ-tert-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール)
略称:UV-328
CAS RN 25973-55-1
用途
審議結果
【主な用途】紫外線吸収剤
【REACH規則】2020年2月にREACH規則のSVHC物候補質リスト収載
リスクプロファイル案を審議し、残留性、濃縮性、長距離移動性及び毒性等を検討した結果、UV-328が重大な悪影響をもたらす恐れがあるとの結論に達し、次回会合(POPRC18)においてリスク管理に関する評価を検討する段階に進めることが決定されました。
3 英名 Chlorpyrifos
和名 クロリポリフィス
CAS RN 2921-88-2
用途
審議結果
【主な用途】殺虫剤
提案国から提出された提案書について、残留性、濃縮性、長距離移動性及び毒性等を審議した結果、クロルピリホスがスクリーニング基準を満たすとの結論に達し、次回会合(POPRC18)に向けてリスクプロファイル案を作成する段階に進めることが決定されました。
4 英名 Medium-chain chlorinated paraffin (14 to 17 carbon atoms with a chlorination rate of 45% by weight or more)
和名 中鎖塩素化パラフィン(炭素数14~17で塩素化率45重量%以上のもの)
CAS RN 物質群なのでなし
用途
審議結果
【主な用途】難燃性樹脂原料等
【REACH規則】2021年7月にREACH規則のSVHC物候補質リスト収載
提案国から提出された提案書について、残留性、濃縮性、長距離移動性及び毒性等を審議した結果、炭素数14で塩素化率45重量%以上の中鎖塩素化パラフィンについてはスクリーニング基準を満たすとの結論に達し、炭素数15~17で塩素化率45重量%以上の中鎖塩素化パラフィンについては、生物蓄積性に関して引き続き情報収集を続ける条件付きで、次回会合(POPRC18)に向けてリスクプロファイル案を作成する段階に進めることが決定されました。
5 英名 Long-chain perfluorinated carboxylic acid (PFCA) and its salts and related substances
和名 長鎖ペルフルオロカルボン酸(PFCA) とその塩及び関連物質
CAS RN 物質群なのでなし
用途
審議結果
【主な用途】フッ素ポリマー加工助剤、界面活性剤等
【REACH規則】2020年8月に制限物質にエントリー68として追加
提案国から提出された提案書について、残留性、濃縮性、長距離移動性及び毒性等を審議した結果、長鎖ペルフルオロカルボン酸(PFCA) とその塩及び関連物質がスクリーニング基準を満たすとの結論に達し、次回会合(POPRC18)に向けてリスクプロファイル案を作成する段階に進めることが決定されました。

 

表3 POPRC17その他の検討結果

ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩及びPFOA関連物質の例示リスト
例示リストの改定について、引き続き情報収集を行うことが決定されました。
【主な用途】撥水剤、撥油剤、消火剤、フォトレジスト、塗料など

4. まとめ

(1)次回のPOPRC(残留性有機汚染物質検討委員会)の会合、第18回会合(POPRC18)は2022年9月にローマで開催されます。今回開催されたPOPRC17とPOPRC18の結果を基に2023年に予定されているPOPs第11回締約国会議(COP11)で、正式決定されます。
(2)当工業会として関係があると思われるのは表2のNo3を除く4物質です。いずれもREACH規則のSVHC候補物質または制限物質となっているので、すでに使用有無の調査はされているかと思われますが、この機会に再確認された方がよいと思います。
(3)表2のNo2、UV-328は紫外線328nmを特異的に吸収する物質ですが、類似物質として以下の物質がありますので注意が必要です。

略称 正式和名 CAS RN
UV320 2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-tert-ブチルフェノール 3846-71-7
UV327 (2,4-ジ-tert-ブチル-6-(5-クロロ-2-ベンゾトリアゾリル)フェノール) 3864-99-1
UV 328 (2-(3,5-ジ-tert-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール) 25973-55-1
UV 350 (2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-sec-ブチル-4-tert-ブチルフェノール) 36437-37-3

   
これらの物質は紫外線吸収剤として、樹脂が紫外線によって劣化するのを防止するために、樹脂の製造過程で広く添加されて使用されてきました。プラスチックとしてはポリ塩化ビニル、PET、ポリカーボネート、ポリアミド、ABS樹脂、その他ポリマーやゴム、ポリウレタンなどのほかにも、接着剤、コーティング剤にも使用されてきました。
(4)POPs条約の対象物質になった場合、国内ではこれに対応する国内法が制定されます。EUや米国、その他でも同様の国内法が整備されます。
(5)POPs条約対象物質はすでに製造・使用が制限されているかとも思われますが、この機会に使用可否の確認をされるとよいかと思われます。

引用・参考資料

  • Stockholm Convention (国連環境計画)
  • ストックホルム条約 (環境省)
  • POPs条約(残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約)とは (経済産業省)
  • 残留性有機汚染物質検討委員会第17 回会合(POPRC17)の結果について (環境省、2022年2月8日)
  • ストックホルム条約残留性有機汚染物質検討委員会第17回会合(POPRC17)が開催されました (経済産業省、2022年2月8日)
  • 残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約~(POPs条約)改正へ向けて~ (日本バルブ工業会、2008年12月2日)
  • ストックホルム条約第4回締約国会議(COP4)の結果について~注目のPFOSの扱いは~ (日本バルブ工業会、2009年7月27日)
  • ストックホルム条約、ロッテルダム条約、バーゼル条約約定国会議開催~及び第2回3条約拡大合同締約国会議(ExCOPs2)~ (日本バルブ工業会、2013年6月19日)
  • 有害物質規制最前線#8~ストックホルム条約~ (日本バルブ工業会、2006年2年24日)
  • ストックホルム条約 次期規制物質候補について~金属加工油に含まれる短鎖塩素化パラフィンが対象に~ (日本バルブ工業会、2009年11月27日)
  • 「永遠の化学物質PFAS」の規制が世界的に強化~企業が注意するべき事項~ (日本バルブ工業会、2021年4月19日)

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