MENU
CLOSE
HOMEHOME
工業会情報
  • 工業会情報トップ
  • 当会の組織概要
  • 会長挨拶
  • 定款
  • 競争法コンプライアンス規程
  • 企業行動憲章
  • 役員名簿
  • 2016年度事業報告書等
  • 2017年度事業報告書等
会員企業紹介
  • 会員企業紹介トップ
  • 正会員企業紹介
  • 賛助会員企業紹介
  • 会員企業商標一覧
  • 会員の技術・製品情報
  • ISO認証取得会員
バルブメーカー検索 統計 会員向け

サイトマップ|English

一般社団法人 日本バルブ工業会 JAPAN VALVE MANUFACTURERS'ASSOCIATION

サイトマップ|English

  • HOME
  • 工業会情報
  • 会員企業紹介
  • バルブメーカー検索
  • 統計
  • 会員向け
home>環境について>環境関連情報>環境経営・戦略・政策>GPIF、環境債に本格投資 2020年度にも

GPIF、環境債に本格投資 2020年度にも

2019-11-13

~グリーンボンド (環境債)、グリーンファンドとは~

はじめに

2019年9月25日付け日本経済新聞(電子版)において、「GPIF、環境債に本格投資 2020年度にも」という見出しで、本コラムでも度々紹介している公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、「早ければ来年度にも環境分野への配慮に優れたグリーンボンド(環境債)への投資を本格的に始める方針だ」と報じました。

1.2兆US$(約130兆円)の資金を運用するといわれている世界最大規模の機関投資家であるGPIFが本格投資を始めると報じられたグリーンボンド(環境債)とは、また、最近グリーンファイナンス、グリーンファンドなど環境に関する投資が注目を浴びていますが、具体的にどのようなものなのか、解説したいと思います。

グリーンファイナンス(グリーンボンドやグリーンファンド)とは

グリーンファイナンスとは金融・証券用語で、大和証券によると「空気や水・土の汚染除去、温室効果ガス排出量削減、エネルギー効率改善、再生可能エネルギー事業への投資など、環境に良い効果を与える投資への資金提供を意味する広範囲の概念。2016年9月のG20杭州サミット後に発表された首脳声明(コミュニケ)で、グリーンファイナンス拡大の必要性が確認されました。環境問題解決に必要な資金は膨大で、各国政府の財政的制約から公的資金のみでは不足なのは明らかで、民間資金をいかに活用していくのかがポイントとされています」と解説しています。

環境負荷の低減は、各国政府などの行政が法規制や税制などの改定、あるいは補助金制度などによって進められる場合もありますが、上述のように、環境問題の解決には莫大な資金が必要となりますので、多くの場合には民間資金による投資が求められます。このように環境関連に資金提供することをグリーンファイナンスといいますが、民間の資金運用では利益が得られるか否かの判断で行われ、当然のことながら単に資金援助をするということではありません。

グリーンボンド(環境債)

一般社団法人グリーンファイナンス推進機構は、グリーンボンドを次のように説明しています。

企業や地方自治体等が、国内外のグリーンプロジェクトに要する資金を調達するために発行する債券をグリーンボンドと呼びます。
具体的には、

(1)調達資金の使途がグリーンプロジェクトに限定され、
(2)調達資金が確実に追跡管理され、
(3)それらについて発行後のレポーティングを通じ透明性が確保された債券です。

なお、『グリーンプロジェクト』とは、環境改善効果がある事業であり、環境面からのネガティブな効果(環境負荷)がその環境改善効果と比べ過大にならないと評価されるものになります。

※筆者注1)
「グリーンプロジェクト」とは地球温暖化をはじめとする環境問題の解決に貢献する事業。再生可能エネルギーや省エネルギー、持続可能な廃棄物処理や土地利用・水管理、生物多様性の保全、環境負荷の少ない交通、気候変動への対応に関する事業など(出典:デジタル大辞泉/小学館)。

※筆者注2)
「グリーンボンド」は「気候債」または「気候変動債(Climate bond)」と呼もばれることもあり、環境問題の中でも気候変動に特化して何らかの形で気候変動ソリューションにリンクされている債券金融商品(債券)をいう場合もあります(出典:ウィキペディア)。「気候債」は比較的新しい資産クラスですが、急速に成長しています。2016年の気候変動による債券の総額は1,600億US$と推定されました。そのうち2016年に700億US$が発行されたといわれています。

グリーンボンド発行における一般的なスキームは図1のとおりです。発行体と投資家、アレンジャーに加えて、環境性に関する外部レビュー機関が関与する部分が通常の債券と異なる部分です。

グリーンボンド発行のスキーム図。外部レビュー機関が外部レビューの付与を行い、投資家はアレンジャー経由で割当金額の払込をする。グリーンボンド発行体は調達資金の管理をし、投資を行う。環境改善事業SPCは事業を行い、環境改善効果の測定、投資家へのレポーティングを行う。発行体は投資家に利払い・償還を行う。

図1 グリーンボンド発行の一般的スキーム(出典:グリーンボンド発行促進プラットフォーム(環境省))

グリーンボンドの発行推進を行っている主体は、我が国では環境省であり、グリーンボンド発行促進プラットフォーム(環境省)において、グリーンボンドについて以下の通り解説を行っています。

<主なグリーンボンドの発行主体>

1. 自らが実施するグリーンプロジェクトの原資を調達する一般事業者(専らグリーンプロジェクトのみを行うSPCを含む)

※筆者注3)
「SPC」とはSpecial Purpose Company(特定目的会社)の略称で、企業が資金を調達する目的などで設立する会社。一般投資家から資金を募り、不動産を所有して信託銀行などに運用を委託し、賃貸収入や売却益を得て、投資家に配当する形態などがある。不動産を証券化するなどの資金流動化を目的とした特定目的会社も特別目的会社の一つ(出典:朝日新聞2010年5月17日夕刊、デジタル大辞泉/小学館)

2. グリーンプロジェクトに対する投資・融資の原資を調達する金融機関
3. グリーンプロジェクトに係る原資を調達する地方自治体

<主なグリーンボンドへの投資家>

1. ESG投資を行うことを表明している年金基金、保険会社などの機関投資家
2. ESG投資の運用を受託する運用機関
3. 資金の使途に関心を持って投資をしたいと考える個人投資家

<グリーンボンドの種類>

グリーンボンド原則(The Green Bond Principles: GBP)(International Capital Market Association: ICMA発行)では、グリーンボンドの種類として、以下の4つが示されています。それぞれ、償還原資等の点で違いがあります。

1. Green Use of Proceeds Bond
グリーンプロジェクトに要する資金を調達するために発行する債券。特定の財源によらず、発行体全体のキャッシュフローを原資として償還を行います。
2. Green Use of Proceeds Revenue Bond
グリーンプロジェクトに要する資金を調達するために発行する債券。調達資金の充当対象となる公的なグリーンプロジェクトのキャッシュフローや、当該充当対象に係る公共施設の利用料、特別税等を原資として償還を行います。例えば、外郭団体が行う廃棄物処理事業に必要な施設の整備や運営等を資金使途とし、当該事業の収益のみを原資として償還を行う債券がこれに該当します。
3. Green Use of Proceeds Project Bond
グリーンプロジェクトに要する資金を調達するために発行する債券。調達資金の充当対象となる単一又は複数のグリーンプロジェクトのキャッシュフローを原資として償還を行います。例えば、専ら再生可能エネルギー発電事業を行うSPCが発行する、当該事業に必要な施設の整備や運営等を資金使途とし、当該事業の収益のみを原資として償還を行う債券がこれに該当します。
4. Green Use of Proceeds Securitized Bond
グリーンプロジェクトに係る通常複数の資産(融資債権、リース債権、信託受益権等を含む。)を担保とし、これらの資産から生まれるキャッシュフローを原資として償還を行う債券です。例えば、ソーラーパネル、省エネ性能の高い機器、設備、住宅等、電気自動車や水素自動車等の低公害車などに係る融資債権等を裏付けとするABS(資産担保証券)等がこれに該当します。

<グリーンボンドのメリット>

1. 発行のメリット

(1)グリーンプロジェクト推進による社会的支持の獲得
グリーンボンド発行により、グリーンプロジェクト推進に積極的であることをアピールでき、それを通じて社会的な支持の獲得につながります。
(2)新たな投資家との関係構築
グリーンボンドを発行することで、地球温暖化をはじめとした環境問題の解決に資する性質を有する投資対象を高く評価する投資家等の新しい投資家と関係を築くことができ、資金調達基盤の強化につながります。

2. 投資のメリット

(1)持続可能な社会の実現に貢献
投資家は、グリーンボンドへの投資を行うことで、債券投資による利益を得ながら、資金供給を通じ「環境・社会面のメリット」に掲げるメリットの実現を支援し、持続可能な社会の実現に貢献できます。
(2)オルタナティブ投資によるリスクヘッジ
プロジェクトボンドとして発行されるグリーンボンドについては、株式や債券等の伝統的資産との価格連動性(相関性)が低いとされるオルタナティブ投資の側面を有するため、分散投資によるリスク低減の有効な投資先の一つになり得ます。

3. 環境・社会面のメリット

(1)温室効果ガスの削減や自然資本の劣化の防止
グリーンプロジェクトへの民間資金の導入が拡大し、温室効果ガスの削減や自然資本の劣化防止に資します。
(2)グリーン投資に関する個人の啓発
グリーン投資や、自らが預金・投資した資金の使途への個人の関心の向上につながります。
(3)社会・経済問題の解決への貢献
グリーンプロジェクトの推進により、エネルギーコストの低減、地域活性化、災害時のレジリエンス向上に資します。

どのような団体がどのような目的でグリーンボンドを発行しているのかは、次のリストに掲載されています。

国内発行体による発行リスト
2014年に日本政策投資銀行が2.5億ユーロの国内初のグリーンボンドを発行しました。2017年には自治体や企業による発行が相次ぎました。リンクは国内発行体による主な発行事例です。

海外発行体による発行リスト
2007年に欧州投資銀行(EIB)が6億ユーロのグリーンボンドを発行して以降、国際開発金融機関による発行が大部分を占めていましたが、民間企業による発行も2013年頃から急速に増加しました。また、発行体の属性(例:先進・途上国政府、民間事業者、金融機関)や地域も多様化してきています。リンクは、2017年以降の海外発行体による主な発行事例です。

(参考)グリーンファンドとは

前述の一般社団法人グリーンファイナンス推進機構は、グリーンファンドとは「環境省が所管する『地域低炭素投資促進ファンド事業』により設置された基金を活用した投資ファンドで、出資という形で地域において低炭素化プロジェクトを推進する事業者等を支援しています」と述べています。
直接出資スキーム例

地球温暖化対策税の税収を活用し、グリーンファンドは地域の低炭素化プロジェクトに出資します。
図2 グリーンファンドのしくみ(出典:グリーンファイナンス推進機構)

まとめ

(1)世界最大の投資機関といわれ1.2兆US$ (約130兆円) を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」がグリーンボンド(環境債)に本格投資を行う事を公表しました。
(2)グリーンボンドとは「企業、地方公共団体等が、国内外のグリーンプロジェクトに要する資金を調達するために発行する債券です」。グリーンプロジェクトとは地球温暖化防止、生物多様性保全、循環型社会構築をはじめとする環境問題の解決に貢献する事業です。
(3)海外では気候変動対策に特化し気候債または気候変動債(Climate bond)と呼ばれることもあります。
(4)ここ数年、環境問題解決する事を目的とした新事業が急拡大して来ていますが、莫大な資金を必要とする場合も多く、債券の形で資金を調達するグリーンボンド投資が急拡大してきています。
(5)気候変動対応など、環境負荷低減施策を経済的な損失とネガティブに考えず、これが新しいビジネスチャンスとポジティブに考え、自社の有する技術・営業・材料・生産などの資源をいかに活用して利益に結び付けるかが重要になってきているといえます。

引用・参考資料

  • GPIF、環境債に本格投資 2020年度にも (日本経済新聞電子版、2019年9月25日付け)
  • グリーンボンドとは (グリーンボンド発行推進プラットフォーム/環境省)
  • グリーンファンドとは (一般社団法人グリーンファイナンス推進機構)
  • グリーンファンドによる出資・グリーンボンドの発行支援 (一般社団法人グリーンファイナンス推進機構)
  • インデックス・ポスティングの開始について (年金積立金管理運用独立行政法人)
  • 「世界の年金基金トップ20」 日本のGPIFが首位、トップ300に日本の16基金 (ZUU:日本人が経営し東京とシンガポールに事務所を置く富裕層向けフィンテック・プラットフォームの運営会社)
  • 金融・証券用語解説 [グリーンファイナンス] (大和証券)
  • グリーンボンド発行促進プラットフォーム (環境省)

注意

  • 無断で本情報を二次使用すること及び転載することを禁じます。
  • 本情報は不確実な情報が含まれる可能性がありますので、本情報を利用される場合は参考文献及び引用先の情報も合わせてご覧のうえ、自己の責任において判断をお願いします。
  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

環境経営・戦略・政策(環境関連情報)

  • 2022
  • 2021
  • 2020
  • 2019
  • 2018
  • 2017
  • 2015
  • 2014
  • 2013
  • 2012
  • 2011
  • 2010
  • 2009
  • 2007
  • 2005
  • 2003
ページトップ

個人情報保護方針|特定個人情報の適正な取扱いに関する基本方針

一般社団法人日本バルブ工業会

〒105-0011 東京都港区芝公園3-5-8 機械振興会館510 アクセス地図  TEL: 03-3434-1811

Copyright © Japan Valve Manufacturers' Association. All rights reserved