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home>環境について>環境関連情報>地球温暖化>2030年温室効果ガス排出量26%削減への道 #20

2030年温室効果ガス排出量26%削減への道 #20

2019-12-18

~大気中の温室効果ガス濃度が過去最高に~

はじめに

2019年11月2日付けWeb版日本経済新聞が、「国内政情の不安から、第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)の開催を断念したチリに代わって、12月2~13日までスペインのマドリードで開催される」と報じました。一時は開催の危ぶまれたCOP25ですが、何とか開催に漕ぎつけられました。

今回のCOP25では、2018年のCOP24で合意ができなかった協定ルールの交渉や排出量取引といった「市場メカニズム」のルールの取り決めなどが主体となり、2020年のスタートに向けた準備が進むと期待されましたが、冒頭に国連のグテーレス事務総長は「今のままの努力では不十分なのは明らかだ」とし、「温室効果ガスの削減目標を引き上げるなど対策の強化を表明するよう求めた」と報じられました。

※本原稿執筆時にCOP25は異例の2日間の会期延長後、課題を積み残して閉幕しましたが、COP25の概要及び課題などは、別途取り上げたいと思います。

実際に各国が、パリ協定で目標として現在提出している温室効果ガスの排出削減量を達成したとしても、「世界の気温は産業革命前から3.2度上昇する」と試算されており、つまり現在の各国の削減目標では、大幅な気温上昇は避けられない危機的な事態だと報道されています。

しかし、2019年11月5日には、これに水を差すように米国が正式にパリ協定離脱を国連に通告したと多くのメディアが伝えました。

さらには、2019年11月25日付けで世界気象機関(WMO:World Meteorological Organization)が産業革命以降、大気中の温室効果ガスの濃度が過去最高値に達したと報じました。

パリ協定が採択され、世界の国々が「脱炭素社会」へ舵を切っているはずですが、温室効果ガスの濃度は、現時点でも増加の一途をたどっています。

今回は、2019年11月25日に世界気象機関が発表した資料を基に、温室効果ガスの現状について解説します。

2019年11月25日付けで世界気象機関 (WMO) が報道した内容(概要)

COP25開会直前の2019年11月25日に世界気象機関が発表した温室効果ガスに関する資料は、「世界の大気中の温室効果ガス濃度は過去最高に達した」と題するショッキングなものでした。

温室効果ガスの増加と気象変動の関係がより明確になり、1997年の京都議定書以降、20年余が経過して世界の国々が「脱炭素社会」へと舵を切っているはずですが、残念ながら温室効果ガス濃度は上昇を続けています。

日本の気象庁は、途上国におけるエネルギー需要が増大し、化石燃料の消費が増えた結果と分析しています。

以下、世界気象機関が発表した資料の概略を記します。

(2019年11月25日世界気象機関、於・ジュネーブ)
・大気中の温室効果ガスのレベルは、新たな最高記録に達しました。
・二酸化炭素の世界平均濃度は2017年の405.5ppmから2018年の407.8ppmまで2.3ppm(1.3%)上昇しました。これは2016年から2017年の上昇率とほぼ同じです。
・1990年以降、長寿命の温室効果ガスによって、総放射強制力(気候に対する温暖化効果)が43%増加しています。この内、CO2が約80%を占めています。
・WMO事務総長のペッテリ・ターラスは「気候変動に関するパリ協定の下での全ての約束にもかかわらず、大気中の温室効果ガス濃度の低下は言うまでもなく、低下の兆候はありません」と述べています。
・CO2総排出量の約4分の1は海洋に吸収され、もう4分の1は生物圏に吸収されます。残りの1/2は大気中に長い間留まります。
・国連環境プログラムの事務局長Inger Andersen氏は「今必要な急進的な変化を起こすのか、気候変動によって根本的に変化した惑星にするのか、私たちは厳しい選択に直面しています」と述べ、直ちに急進的な行動を起こすべきと述べています。
・2018年のCO2の濃度は1750年の産業革命前のレベルの147%にまで上昇しています。


図1 1990年から2018年までのCO2濃度変化 (出典:世界気象機関)


図2 大気中の二酸化炭素濃度と年間の増加量推移(出典:世界気象機関)

メタン(CH 4)は、2番目に重要な長寿命温室効果ガスですが、その約40%は自然発生源(湿地やシロアリなど)によって大気中に放出され、約60%は牛の飼育、稲作、化石燃料の開発、埋立地、バイオマス燃焼などの人間の活動によるものです。大気中のメタンは、2018年に約1869 ppbの最高値に達し、現在は産業革命前のレベルの259%です。


図3 大気中のメタン濃度と年間の増加量推移(出典:世界気象機関)

亜酸化窒素(N2O)は、海洋、土壌、バイオマス燃焼、肥料の使用、さまざまな産業プロセスなど、自然(約60%)と人為的発生源(約40%)の両方から大気中に放出されます。


図4 大気中の亜酸化窒素と年間の増加量推移(出典:世界気象機関)

 

我国の温室効果ガス排出量(速報値)

石炭火力発電推進をしているため、国連総会での気候行動サミットにおいて安部首相の演説が断られたり、またCOP25では「地球温暖化対策に後ろ向きな国」として国際環境NGOが贈る「化石賞」に選ばれたり、国際的にあまり評判の芳しくない我国ですが、WMOの2018年世界平均気温に関する発表の3日後の2019年11月29日に、環境省が我国の2018年温室効果ガス排出量の速報値を発表しました。概要は次のとおりです。

(1) 2018 年度の我が国の温室効果ガスの総排出量は、12億4,400万トン(CO2換算。以下同じ。)。
(2) 前年度(2017年度)の総排出量(12億9,100万トン)と比べて、3.6%(4,700万トン)の減少。
(3) 2013年度の総排出量(14億1,000万トン)と比べて、11.8%(1億6,600万トン)の減少。
(4) 2005年度の総排出量(13億8,200万トン)と比べて、10.0%(1億3,800万トン)の減少。
(5) 2017年度、2013 年度と比べて排出量が減少した要因としては、電力の低炭素化に伴う電力由来の CO2排出量の減少や、エネルギー消費量の減少(省エネ、暖冬等)により、エネルギー起源のCO2排出量が減少したこと等が挙げられる。
(6) 2005 年度と比べて排出量が減少した要因としては、エネルギー消費量の減少(省エネ等)により、エネルギー起源のCO2排出量が減少したこと等が挙げられる。
(7)総排出量の減少に対して、冷媒におけるオゾン層破壊物質からの代替に伴う、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)の排出量は年々増加している。

 


図5 我国の温室効果ガス排出量推移2018年度速報値(出典:環境省)

まとめ

(1) 2019年11月25日付けで世界気象機関 (WMO)は2018年度における全世界の温室効果ガス濃度は、過去最高に達したと報じました。また、その増加率はここ数年変化がなく、減少に転じる兆候は見られていません。

(2) 世界各国が、温室効果ガス排出量削減の動きを見せる中で、全世界の温室効果ガス濃度が上昇を続けている原因として、日本の気象庁は途上国におけるエネルギー消費量の増加によると分析。

(3) 2019年11月29日付けで気象庁は、我国の2018年度温室効果ガス排出量の速報値を発表しました。これによると、2013年をピークに5年連続で減少傾向にあるとしました。

(4) 12月2日~13日の予定で開催されたCOP25は会期を2日延長する異例のものになりましたが、排出量第1位の中国、(第2位の米国は離脱)、第3位のインド、第4位のロシア、第5位の日本など排出量上位の国々と途上国の折り合いが着かず、来年のパリ協定発足に対して多くの課題を残しました。
※現状のパリ協定に対する各国の目標では3.2℃の上昇と計算され、目標の上積みが必要。

(5) 取り分け、我国は火力発電の推進により多くの批判を浴びました。

(6) 各国政府の後ろ向き発言の反面、本コラムでも取り上げましたが、機関投資家、銀行、保険業などの民間金融組織が温室効果ガス排出企業に対して融資や投資を避ける動きも加速してきていることから、政府より民間主導の形で進むことも期待が持てるかも知れません。

 

引用・参考資料

  • Greenhouse gas concentrations in atmosphere reach yet another high (WMO、国連世界気象機関)
  • COP25、スペインで12月に開催 国連決定 (web版日本経済新聞、2019年11月2日)
  • 米政府、パリ協定離脱を正式通告 気候変動対策に暗雲 (BBCニュースジャパン、2019年11月5日)
  • 気候変動が「加速」、過去5年で世界気温は最も暑く=世界気象機関 (BBCニュースジャパン、2019年9月23日)
  • UN Climate Change Conference – December 2019 UN Climate Change Conference – December 2019 (国連)
  • 2018年度(平成30年度)の温室効果ガス排出量(速報値)について (環境省、2019年11月29日)
  • 「地球は大幅に温暖化」の衝撃報告書!日本は“批判の的”…小泉大臣は何を語る?COP25開幕 (FNNPRIME、2019年12月6日)
  • 温暖化対策、日本51位で最低グループ 「温室効果ガス削減目標不十分」 独機関など分析 (毎日新聞WEB版、2019年12月10日)

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