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home>環境について>環境関連情報>環境経営・戦略・政策>SASB(サステナビリティ会計基準委員会)スタンダードについて #1

SASB(サステナビリティ会計基準委員会)スタンダードについて #1

2020-03-18

~業種別・産業別に準備されたESG情報開示のための「SASBスタンダード」とは~

はじめに

2020年2月27日付け本コラム「多様化するESG情報開示基準~本命と言われ始めたSASBスタンダードについて~」では、企業が投資家向けにESG情報を開示する際の国際標準の本命と目されている「SASB(サステナビリティ会計基準委員会)スタンダード」を取り上げました。今回から何回かに分けて、SASBスタンダードの概要を述べて行きたいと思います。

特に、SASBスタンダードの特徴である、業種別・産業別に準備された77種類の基準の中から、当工業会に比較的近いと思われる業種・産業を選択して当該基準の概要までを解説して行きたいと思います。

SASB(サステナビリティ会計基準委員会)とは

SASB(サステナビリティ会計基準委員会。以下、本稿では「SASB委員会」と呼びます)のWebサイトでは、次のように説明されています。

「SASB委員会は、米国サンフランシスコを拠点に、非営利の独立した基準設定組織として2011年に設立されました。

SASB委員会の使命は、企業が財政的に重要な意思決定に役立つ持続可能性情報を、投資家に開示するための基準を確立・維持することです。

SASB委員会は、財務会計基準委員会(FASB)や国際会計基準委員会(IASB)など、投資家への開示基準を設定する他の国際的組織と同様のガバナンス構造で運営されています。

SASB委員会は、運営委員会及び基準設定委員会によって構成されます。基準設定委員会は、SASBスタンダードを開発・発行し、保守します。運営委員会は、組織全体の戦略、財政、運営を監督し、基準設定委員会のメンバーを任命します。

運営委員会は基準の設定には関与しませんが、組織のデュープロセス要件への基準設定委員会のコンプライアンスを監督する責任があります。SASB委員会の手順規則に定められているように、SASB委員会の基準設定活動は透明であり、「企業、投資家、関連する専門家との広範囲にわたる協議」を含む適正なデュープロセスに従っています。

SASB委員会は、慈善活動、企業、個人からの寄付をはじめ、出版物、教材、その他製品の販売とライセンス供与など、さまざまなソースから資金提供を受けています。SASB委員会は政府からの融資を受けておらず、政府機関、FASB、IASB、その他の財務会計基準設定機関とは提携していません。」
(以上、SASB委員会のWebサイトから要約)

その他種々の情報を付加しますと、
(1) SASB委員会は米国にあるNGOで、企業におけるESG情報開示の基準を提案する団体ですが、公的機関ではありません。
(2) SASB委員会はSEC(米証券取引委員会)とコミュニケーションを取り、上場企業と大企業が法的に報告を義務づけられているForm 10-K(年次報告書)と、米国に上場している海外企業の法的報告書であるForm 20-F(海外企業の年次報告書)の中で、非財務情報公開のための標準化を目指しています。
(3) SECがSASBスタンダードを採用した場合には、企業の非財務情報開示が義務化されることになります。現状ではSASBスタンダード以外に有力な基準がないため、SASBスタンダードが公的基準になる可能性が高く、多くの企業が採用の方向に向かっているものと思われます。

SASBスタンダードによる業界別・産業別区分

SASBスタンダードは、すべての企業を11の業種(セクター)、38の準業種(サブセクター)と77の産業分類に適合するように設計されており、すべての業種・産業に共通の「SASBスタンダード適用ガイダンス」部分と77の「産業別SASB持続可能性会計基準」から構成されています。

表1 SASB持続可能な産業分類システム
(出典:SASB委員会の資料を基に筆者が和訳)

テーマ別セクター

サブセクター

産業

CG 消費財 CG.1 アパレル&テキスタイル CG-AA アパレル、アクセサリー、履物
CG.2 消費者向け製品 CG-AM 家電製造
CG-BF 建築製品および家具
CG-HP 家庭用品
CG-TS おもちゃ・スポーツ用品
CG.3  消費財小売 CG-MR 複合および専門小売業者と販売業者
CG-EC Eコマース(ネットショップ)
EM 抽出物および鉱物処理 EM.1 石炭 EM-CO 石炭事業
EM.2 建材 EM-CM 建材
EM.3 金属および鉱業 EM-IS 鉄鋼生産者
EM-MM 金属および鉱業
EM.4 石油ガス EM-EP 石油とガス–探査と生産
EM-MD 石油とガス–中流
EM-RM 石油とガス–精製とマーケティング
EM-SV 石油とガス–サービス
FN 財務 FN.1 資本市場 FN-AC 資産管理および管理活動
FN-IB 投資銀行および証券会社
FN-EX セキュリティおよび商品取引所
FN.2 コーポレート&リテールバンキング FN-CB 商業銀行
FN-CF 消費者金融
FN-MF 住宅ローンファイナンス
FN.3 保険 FN-IN 保険
FB 食料と飲料 FB.1 食物 FB-AG 農産物
FB-MP 肉、家禽、乳製品
FB-PF 加工食品
FB.2 飲料 FB-AB アルコール飲料
FB-NB ノンアルコール飲料
FB.3 食品および飲料小売 FB-FR 食品小売業者および流通業者
FB.4 飲食店 FB-RN 飲食店
FB.5 タバコ FB-TB タバコ
HC 健康管理 HC.1 バイオテクノロジーおよび医薬品 HC-BP バイオテクノロジーおよび医薬品
HC.2 ヘルスケア小売 HC-DR 医薬品小売業者
HC.3 医療提供者 HC-DY ヘルスケアデリバリー
HC-DI ヘルスケアディストリビューター
HC-MC マネージドケア(管理医療)
HC.4 医療技術 HC-MS 医療機器および消耗品
IF インフラ IF.1 公益事業 IF-EU 電力会社および発電機
IF-GU ガス公益事業会社
IF-WU 水道事業とサービス
IF.2 インフラ IF-EN エンジニアリングおよび建設サービス
IF.3 不動産 IF-HB 建築業
IF-RE 不動産
IF-RS 不動産サービス
IF.4 廃棄物管理 IF-WM 廃棄物管理
RR 再生可能資源と代替エネルギー RR.1 代替エネルギー RR-BI バイオ燃料
RR-FC 燃料電池および産業用電池
RR-ST ソーラー技術とプロジェクト開発者
RR-WT 風力技術およびプロジェクト開発者
RR.2 林業および製紙 RR-FM 林業管理
RR-PP 紙パルプ製品
RT 資源の加工 RT.1 インダストリアル RT-AE 航空宇宙および防衛
RT-CP コンテナと包装
RT-EE 電気電子機器
RT-IG 産業機械および製品
RT.2 化学薬品 RT-CH 化学薬品
SV サービス SV.1 メディア SV-AD 広告とマーケティング
SV-ME メディア&エンターテイメント
SV.2 ホスピタリティとレクリエーション SV-CA カジノとゲーム
SV-HL ホテルと宿泊施設
SV-LF レジャー施設
SV.3 消費者サービス SV-ED 教育
SV-PS 専門および商業サービス
TC テクノロジーとコミュニケーション TC.1 技術 TC-ES 電子製造サービスとオリジナルデザイン製造
TC-HW ハードウェア
TC-SI ソフトウェアおよびITサービス
TC.2 インターネットメディアとサービス TC-IM インターネットメディアとサービス
TC.3 半導体 TC-SC 半導体
TC.4 テレコミュニケーション TC-TL 通信サービス
TR 交通手段 TR.1 航空輸送 TR-AL 航空会社
TR-AF 航空貨物および物流
TR.2 自動車 TR-AU 自動車
TR-UP 自動車部品
TR-CR レンタカー&リース
TR.3 海上輸送 TR-CL クルーズライン
TR-MT 海上輸送
TR.4 陸上輸送 TR-RA 鉄道輸送
TR-RO 道路交通

※産業分類は、当初71分類でしたが、2020年3月1日現在では77の産業に分類されています。

当工業会会員企業の製品については、表中赤字で示すカテゴリーRT「資源の加工」、サブカテゴリーRT1「インダストリアル」、産業分類RT-IG「産業機械及び部品」が最も近いと思われますので、以下、この基準に沿って説明します。

SASBスタンダードの目的

(SASB委員会のWebサイトから要約)
(1) SASB委員会が用いる「持続可能性」という用語は、「企業が長期にわたって価値を創造する能力を維持または強化する企業活動」を指します。
(2) 「持続可能性の会計」とは、商品とサービスの生産から生じる企業の環境的・社会的影響のガバナンスと管理を反映し、また、長期的な価値を生み出すために必要な環境及び社会資本のガバナンスと管理を反映しています。
(3) SASB委員会は、「ESG」(環境、社会、ガバナンス)を引き合いに出しながら持続可能性について言及しますが、企業の取締役会構成など従来のコーポレートガバナンスの問題は、SASBスタンダード設定活動の範囲に含まれません。
(4) SASBスタンダードは、場所に関係なく、業界の典型的な企業の経営成績や財政状態に最も影響を与えそうな持続可能性の問題に関して、その必要最小限の範囲を明確にするために設計されています。
(5) SASBスタンダードは、既存の開示/報告のしくみを利用しながら、費用対効果が高く、意思決定に役立つ方法で、業界レベルの持続可能性の問題に関する企業のパフォーマンスに関するコミュニケーションを可能にするように設計されています。

SASBスタンダードの概要

(SASBのWebサイトから要約)
SASB委員会は、77の業界固有の持続可能性会計基準(SASBスタンダードまたは産業基準)のセットを開発しました。これは、SASB委員会の「持続可能な工業分類体系 Sustainable Industry Classification System®」(SICS®)に基づいて分類されています。
産業別SASBスタンダードは、業界の主要な項目基準を示します。これには主要なビジネスモデルおよび業界セグメントに関する前提が含まれます。SASBスタンダードの概要は以下のとおりです。
(1) 開示トピック:重要な情報を構成する可能性がかなり高い業界特有の必要最小限の開示項目、および各項目の管理または誤管理が価値創造に与える影響の簡単な説明。
(2) 会計指標:各項目のパフォーマンスを測定することを目的とした一連の定量的および/または定性的な会計指標。
(3) 技術プロトコル:各会計指標には、定義、範囲、実装、コンパイル、およびプレゼンテーションに関する指針を提供する技術プロトコルが付属します。これらはすべて、第三者の保証に適した基準を構成することを目的としています。
(4) 活動指標:企業のビジネスの規模を定量化する一連の指標で、データを整理して比較を容易にするための会計指標と組み合わせて使用することを目的としています。
(5) 「SASBスタンダードの適用指標」は、すべての業界基準の使用に適用可能な指針を確立し、基準の一部として適用します。
(6) 業界基準に含まれる技術プロトコルで特に指定されていない限り、SASBスタンダード適用指針のガイダンスは、業界基準の指標の定義、範囲、実装、コンパイル、および表示に適用されます。
(7) SASBスタンダードの概念の枠組みは、持続可能性会計の基準を設定するための道筋においてSASBスタンダード委員会が導く基本的な概念、原則、定義、および、目標を定めています。SASBの手順・規則は、基準設定の統治プロセス及びその実践に対して支援します。

SASBスタンダードの利用

(1) SASBスタンダードは、企業の長期的な価値創造能力に影響を与えうる持続可能性の問題に関する、投資家とのコミュニケーションに使用することを目的としています。
(2) SASBスタンダードの使用は任意です。
(3) 企業は、関連する法的要件を考慮に入れて、どのスタンダードが自社に関連するか、どの開示項目がビジネスにとって財務上重要であるか、どの関連指標を報告するかを決定します。
(4) 一般に、企業はSICS®で分類されているように、自社が属する主要産業に固有の「SASBスタンダード」を使用します。
(5) ただし、複数のSICS®で分類されるビジネスを展開している企業は、複数の「SASB業界別スタンダード」を使うことができます。
(6) 「SASBスタンダード」に基づく情報を投資家に報告する方法を決定するのは会社次第です。
(7) 「SASBスタンダード」を使用する利点の1つは、一部の市場で規制順守を達成できることです。
(8) 「SASBスタンダード」に基づく投資家への情報開示手段は、持続可能性レポート、統合レポート、ウェブサイト、または株主への年次レポート等があります。
(9) 「SASBスタンダード」が、企業のビジネスモデルに特有の財政的に重要な全ての持続可能性への機会または脅威に対処すると言う保証はありません。

まとめ

(1) SASB(Sustainability Accounting Standards Board;サステナビリティ会計基準委員会)とは、米国で2011年に設立された非営利の独立した組織です。
(2) SASB委員会の目的は、企業が財政的に重要な意思決定に役立つ持続可能性情報を、投資家に開示するための基準を確立・維持することです。
(3) SASB委員会はSEC(米証券取引委員会)とコミュニケーションを取り、上場企業と大企業が法的に報告を義務付けられているForm 10-K(年次報告書)と、米国に上場している海外企業の法的報告書であるForm 20-F(海外企業の年次報告書)の中で、非財務情報公開のための標準化を目指しています。
(4) SECがSASBスタンダードを採用した場合には、企業の非財務情報開示が義務化されることになります。現状ではSASBスタンダード以外に有力な基準がないため、SASBスタンダードが公的基準になる可能性が高く、多くの企業が採用の方向に向かっているものと思われます。
(5) SASBスタンダードは、すべての業種・産業に共通の「SASBスタンダード適用ガイダンス」部分と、77の「産業別SASB持続可能性会計基準」により構成されています。
(6) 今回、11業種77産業分類を一覧表にして示しました。
(7) 今回はSASBスタンダードの目的、概要、利用に関する説明を示しました。
(8) 次回、具体的な「すべての業界に共通の基準」及び「業種別・産業別基準」として、当工業会に一番近いと思われる業種分類「資源加工」の中の産業分類「産業機械及び部品」に関して概要を述べてみたいと思います。

引用・参考資料

  • SASB connects businesses and investors on the financial impacts of sustainability. (Sustainability Accounting Standards Board)
  • SASB シュミッツユーリット ディレクター「投資家への開示、本命はSASB」~TCFDの開示はSASBに沿うものになる~ (日経ESG、2020年1月6日)
  • SASBに聞いてみた! – SASBを知るための10の質問 – (KPMG)
  • SASB(サズビー)とは (佐藤泉法律事務所、2019年7月29日)
  • 【レポーティング】SASB(サステナビリティ会計基準審議会)を徹底解説 (Sustainable Japan、2014年10月5日)
  • 【アメリカ】SASB、SASBスタンダード全79業界の初版原案を公表。90日間パブコメ受付 (Sustainable Japan、2017年10月4日)
  • SASB サスティナビリティ会計基準 (CSR communicate、2016年6月1日)
  • 多様化するESG情報開示基準等の果たす役割と課題~GRI・IIRC・SASB・TCFDの比較分析を通じて~ (ニッセイアセットマネジメント寄稿、月刊本市場、2019年7月号)
  • 米サステナブル会計基準審議会(SASB)、11産業77業種の環境・社会の非財務情報開示基準を正式に公表。SEC財務報告書への開示、TCFDの気候リスク情報開示などに期待(RIEF) (一般社団法人環境金融研究機構、2018年11月7日)
  • SASB(サステナビリティ会計基準審議会)の行方や如何に (ニッセイアセットマネジメント、2017年6月1日)
  • IIRCとGRIの共通点と違いは? (教えて!アミタさん)
  • GRI STANDARDS DOWNLOAD CENTER –日本語版 (GRI)
  • 国際統合報告(日本語版) (IIRC)
  • 企業における「気候関連財務情報開示」の流れ #2~気候変動に関連した情報開示の最新動向~ (日本バルブ工業会、2020年1月15日)
  • 企業における「気候関連財務情報開示」の流れ~ESGの先、TCFD提言とは~ (日本バルブ工業会、2019年7月17日)
  • 多様化するESG情報開示基準~本命と言われ始めたSASBスタンダードについて~ (日本バルブ工業会、2020年2月27日)

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